北陸を代表する観光地である石川県金沢市。近年では北陸新幹線も開通し、都心からもよりアクセスがしやすくなりました。

江戸時代には加賀藩の城下町として栄えた金沢。市内を散策すれば、今なお残る加賀百万石の文化を至る所で感じることが出来ます。その中でも金沢のシンボルとして圧倒的な存在感を誇るのが、職人の手によって復元された金沢城です。

金沢城を築いたのは戦国大名であり、加賀藩主として加賀百万石を築き上げた前田氏の祖でもある前田利家。彼は1583年からこの場所で建城を本格的に開始しました。

完成した城はしかし、度重なる落雷や火災の被害に遭います。1602年に落雷で天守閣が焼失したほか、1759年には火災により城のほとんどが焼けてしまいました。その後また城は再建されましたが、その際には実用性を重要視しながら城の構造が変更されていきました。

前田家14代にわたり1869年まで居城として使われてきた金沢城。現在私達が見ている城は、熟練した職人たちが伝統的な技法によって再現したものです。出来るだけ忠実に再現する為に頼りとなったのが、古絵図や古文書でした。

釘を一切使わない方法で再建された菱櫓(ひしやぐら)、五十間長屋(ごじっけんながや)、橋爪門続櫓(はしづめもんつづきやぐら)では、職人たちの技術に驚かずにはいられません。

金沢城公園内は、園内の菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓を除いて無料で見学をすることができます。広大な敷地内に堂々と立っているその姿は、まさに美しいの一言です。

石川門は江戸時代から現存しているものです。侵入してくる敵の動きを鈍らせるため、複雑な造りになっています。ここには桜の木もあるので、春になれば満開の桜と美しい城との組み合わせが楽しめそうですね。手前の橋を渡れば兼六園にたどり着きます。

公園内を散策していると、美しい庭園が見えてきます。ここは玉泉院丸庭園と呼ばれ、三代目藩主の時代から廃藩まで、歴代の藩主によって手が加えられてきた庭園です。

一時は廃れてしまっていた庭園ですが、約2年の歳月をかけて再建され、2015年には再びその美しい姿を取り戻しました。少し高い所にある休憩所から庭全体を眺めることができるほか、庭園内の散策も楽しめます。

立体的な構図や背後の石垣などがとても印象的な庭園です。いつまでもここから眺めていたいような、見る者を引き付ける魅力を持っています。

職人の卓越した技術によって見事に生まれかわった史跡の数々。その中に身を置けば、加賀百万石の息吹を肌で感じることが出来るはずです。

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