今ならもっとヒットしたかも? 時代を先取りしすぎたゲーム5選「ワンダープロジェクトJ2」
●『オペレーターズサイド』
2003年に発売されたPlayStation2用のゲームソフトです。このゲームはコントローラーではなく、「音声」でキャラクターを操作するアクションゲーム。そのため、プレーするにはマイクが必要(ヘッドセット同梱のバージョンも販売)でした。エイリアンに襲撃された宇宙ステーションを舞台に、プレーヤーはマイクでリオという女性に指示を出し、物語を進めていきます。
過去にも音声認識を利用したゲームは数多くありましたが、そこだけをフォーカスした点で注目されました。しかし人によって音声の認識のズレが大きく、思い通りに動いてくれないことも……。基本的に音声でしかリオを動かせないため、プレーが長引くこともありました。かなり高性能でしたが、時代を先取りし過ぎた感はありました。
●『ワンダープロジェクトJ2』
1996年に発売された、NINTENDO64用の育成シミュレーションゲーム。プレーヤーは鳥型インターフェイスロボを操り、何の知識も持たない人型のロボット・ジョゼットに指示を出し、さまざまな知識を身に付けさせます。最初は道具の使い方さえもおぼつかないジョゼットが、次第に使い方をマスターし、新しいものに興味を示す様は本当に「育てている感」がありました。
ジョゼットにはゲームでは世界初である「人工人格」が搭載されていました。これにより自分で物事を考え、こちらに「話し掛けて」きます。これが単なる育成シミュレーションと違う点でした。ただ残念ながらヒットはせず。秀逸なゲームでしたが世に出るのが早すぎたのかもしれません。
●『ファンタシースターオンライン』
2000年にドリームキャストで発売されたネットワーク対応のアクションRPG。今も高い人気を誇る『PSO』シリーズの原点といえる作品です。宇宙を舞台にしたSFの世界観を持つ作品で、プレーヤーは惑星ラグオルに降り立ち、襲い掛かるモンスターを倒しながら冒険をします。
タイトルにオンラインと付いていますが、ネットにつながないオフライン状態でもプレーをすることが可能で、そのボリュームも十分すぎるほど。ただ、本作の魅力はやはり他のプレーヤーと協力して冒険するオンラインにあります。しかし当時は現在ほどオンライン環境が整っておらず、自由にインターネットができる人は限られていました。そのため本作の購入を敬遠する人も……。もう少しネット環境が整っていれば、さらにヒットしたかもしれません。
●『太陽のしっぽ』
1996年に発売されたPlayStation用ゲームソフト。プレーヤーは原始人を操って広大なフィールドを冒険しつつ、マンモスの牙を太陽にまで積み上げることを目指します。とにかくやり過ぎなほど自由度の高い作品で、自由に走って飛び、落ちている奇妙なオブジェクトを食べて動物と戦うなど好きにプレーできます。原始人も疲れたら勝手に寝てしまうほどフリーダムな状況でした。
いわゆる「オープンワールド」のゲームですが、『シェンムー』もまだ出ていない1996年当時は、一般ゲーマーにはそうしたジャンルの認知度はまだまだ低く、この自由さに面白みを見いだせない人が多くいました。そのため、シュールで説明不足なクソゲーというレッテルを貼られることも……。斬新でしたが、早すぎたゲームといえるでしょう。
●『レッドアラーム』
1995年に発売された3Dシューティングゲーム。ゴーグル型ディスプレーをのぞき込む画期的な3Dゲームハード『バーチャルボーイ』用のソフトとして本体と同時発売されました。3Dで描かれたフィールドを、画面奥に向かって飛びながら敵を倒していく内容で、「まるで立体空間のようだ!」と注目されました。
ただ、いくら立体に見えるとはいえ、画面を構成しているのが赤色の線だけで、非常に見づらく、また当時はまだ3D技術が高くなかったこと、そしてゲームハード自体が「本人しか画面が見えない」ことなどで売り上げが伸びず。本作も歴史に埋もれていきました。2016年に「PlayStation VR」というヘッドマウントディスプレーが発表されましたが、バーチャルボーイ、そしてレッドアラームはあまりにも先駆けすぎたのかもしれません。
「時代を先取りし過ぎたと感じるゲーム」をピックアップしてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。この中では、筆者は『ワンダープロジェクトJ2』は大きな可能性を秘めた作品だったと思います。皆さんはどうでしょうか。こうした時代を先取りし過ぎたと感じるゲームはありますか?
(中田ボンベ@dcp)