ドライブスルー公衆電話」看板(画像提供:NTT西日本)

一時はあれほど多かった公衆電話だが、最近さっぱり見かけない。携帯電話が普及し、スマートフォンが一般的になってきた現在、公衆電話のニーズは激減したのだろうか。最近の子どもたちは公衆電話のかけ方を知らないのではないか、と心配する人もいる。テレフォンカードの存在すら知らない子も多いだろう。

もはや「昭和の遺物」と見られがちな公衆電話だが、なんと「ドライブスルー」の公衆電話が愛知県日進市にある、とネット上で話題になっている。遺物どころか、貴重な「文化遺産」と言うべきではないだろうか。「ドライブスルー公衆電話」とはいったいどんなものなのだろう? Jタウンネット編集部はNTT西日本に電話して、話を聞いてみた。

「車から降りずに電話がかけられる」が魅力だった!?


ドライブスルー公衆電話」(画像提供:NTT西日本)

電話で答えてくれたのは、NTT西日本名古屋支店の広報担当Iさんだ。

「日進市内にドライブスルーの公衆電話が2台あります」とIさん。場所は、市役所近くの県道沿い、NTT西日本日進電話交換所の横だ。黄色のラインで囲まれた駐車スペースの脇に、ビニール屋根付きの公衆電話が2台並んで設置されているという。グレーのISDNデジタル電話機で、カード・硬貨併用、受話器のコードはやや長めとのこと。

「1989年に設置されているので、27年ほど経過しています。当時は、雨の日でも濡れない、暑い日でも車に乗ったまま利用できる、と評判になったようです」とIさんは話す。もちろん当時は携帯電話が普及する前で、公衆電話の全盛期である。車から降りずに電話がかけられるドライブスルー公衆電話は、時代の最先端を行くライフスタイルだったのだろう。


ドライブスルー公衆電話」(画像提供:NTT西日本)

「利用者数や売り上げ金額などは公表できませんが、現在でもご利用いただいております」とIさん。車を安全に停められるスペースがあることや、通話料金が携帯電話より安いことが、利用者には好評なのかもしれないという。

このドライブスルー公衆電話は一時は全国で数十カ所あったというが、NTT西日本エリア内で、現在はここ日進市と島根県雲南市の道の駅の2カ所だけになってしまったとのこと。

そこでJタウンネット編集部は、島根県雲南市の道の駅に電話して確かめることにした。雲南市にある3カ所の道の駅のどれだろう?

それは、雲南市掛合(かけや)町にある「道の駅 掛合の里」だった。こちらは1988年に設置されているという。駐車場の横、バス停の脇に1台設置されているとのこと。

掛合町は故・竹下登元総理の出身地で、いまテレビで大人気のDAIGOさんは孫にあたる。元総理の実家・竹下酒造から発売されているお酒「出雲誉(上撰) DAIGOラベル」が飲みやすくて美味しいと評判だ。

昭和レトロな文化遺産「ドライブスルー公衆電話」を訪ねて旅するのも、楽しいかもしれない。