四川省成都市に住む潘さんは9日、友人らと飲食店で昼食をとることにした。ところが料理の中から得体のしれない「虫」が出てきた。いわゆる「ウジ虫」に見えた。潘さんは店に抗議。ところが店側は「料理の一部でしょう」、「食べても大丈夫」などと説明した。地元メディアの華西都市網が報じた。(写真は華西都市網<http://www.huaxi100.com/>の9日付報道の画面キャプチャ)

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 四川省成都市に住む潘さんは9日、友人らと飲食店で昼食をとることにした。ところが料理の中から得体のしれない「虫」が出てきた。何かの幼虫だ。いわゆる「ウジ虫」に見える。潘さんは店に抗議。ところが店側は「料理の一部でしょう」、「食べても大丈夫」などと説明。潘さんは激怒した。地元メディアの華西都市網が報じた。

 テーブルについた潘さんらはまず、豚の頭の肉の和え物である「涼伴猪頭肉」、アヒルの血を使った「毛血旺」、さらにコイ科の淡水魚「ギベリオブナ」の料理を注文した。

 料理が到着。潘さんらは食べ始めた。しかし潘さんの箸はすぐに止まった。毛血旺の中のアヒルの血のかたまりに何かが引っかかっていた。よく見ると、なにかの「幼虫」のようだ。潘さんはただちに店員を呼んだ。

 やって来た店員は料理を交換することには同意したが、「虫じゃなくて料理の一部と思いますよ」などとい言い出した。その時までに、潘さんの連れの中には、吐き気をもよおしてトイレに駆け込んだ人もいた。

 潘さんは「キレ」た。「料理は交換しなくてよい。当局に連絡して賠償を請求する」と宣言した。店員はそれでも、「異物混入は自分には関係ない」といった態度で「どうぞ。賠償をするつもりはありませんけど」などとうそぶいていたという。

 潘さんの連絡を受け、華西都市網の記者も現場に足を運んだ。「混入物」を見せてもらったところ長さは1センチメートルぐらいで、何かの虫の「サナギ」のようにも見えた。近くにいた店員に聞くと、「(潘さんが)言っているようなウジ虫じゃないですよ。サナギですよ。食べても害はありませんから」などと話したという。

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◆解説◆
 日本でも、飲食店が供した料理に異物が入る事態も皆無とは言えない。しかしまともな店ならば、混入が事実と認められる場合、まずは謝罪し善後策を取るはずだ。もちろん、客が理不尽な要求をすれば店側も毅然たる対応をするだろうが、そうでない限り、日本のサービス業には「客をできるかぎり尊重する」感覚が根づいていると言える。

 中国の場合、店側の「開き直り」と思える対応が問題になる場合が多く伝えられている。客が文句を言ったとたん、相手は客でなく「対決相手」とみなすような店側の豹変だ。中国人の場合、他人との間でなんらかの「対立」が発生した場合、相手が強硬な姿勢を取れば、自分はそれ以上に強硬な姿勢を取ろうとすることが目立つ。その場合もはや、争点についての是非はさほど問題ではなく、「相手に勝利」することが主眼になる。(編集担当:如月隼人)(写真は華西都市網<http://www.huaxi100.com/>の9日付報道の画面キャプチャ)