1週間後の父の日のプレゼントに最適!?“親の歴史”を雑誌にするサービスが人気

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最近、『ファミリーヒストリー』(NHK)という番組が楽しいです。今までに何度か見ましたが、共通しているのはタレントさんたちが両親のことを何も知らないという現実。でも、よく考えてください。我々だって、例外じゃない。私、両親のこと、実は何も知りません。学歴だって知らないし、青春時代のことも聞いてない。二人の馴れ初めなんて、聞いたこともない! これって、もしかしたらとても寂しいことじゃないかしら……。

というわけで、「父の日」目前のこのタイミングでご紹介したい。株式会社こころみが5月より提供している『親の雑誌』なるサービスが、我々にうってつけなんです。

これ、その名の通り“親の歴史”を一冊の雑誌にしてまとめてくれるらしい。内容は「人物紹介プロフィール」「年表」「インタビュー」で構成され、全16ページです。

このサービスを開始したきっかけがまずは興味深いが、その前に同社の元々の業務内容についてご説明しましょう。2013年に設立された「株式会社こころみ」が取り組んでいるのは、言わば“会話型見守りサービス”。息子さんや娘さんから依頼を受けたスタッフが高齢者のお宅へ訪問して“顔見知り”となり、その後は週2回の電話コミュニケーションで親御さんの無事を見守ります。
「初回訪問時に、まずは生まれてからの軌跡を伺います。顔見知りとしての信頼関係を築くため、ここはとても大事なやり取りになります。以降、訪問した担当者が週2ペースでお電話するのですが、この時の会話内容は全て聞き書き形式でご家族へお伝えいたします。生存確認だけでなく、気持ちをお伝えするとご家族も喜ばれますしね」(同社広報担当・早川さん)

ここで同社、ふと気が付いた。このくだりで伺う“生まれてからの軌跡”って、どれもすごく面白いじゃないか!
「一般の方でも60、70年と人生を重ねているので、その足跡は非常に濃いんですね。戦後のGHQの話だったり、高度成長期の中でのエピソードだったり……。こんな激動の内容を聞いておくだけにするのはもったいない! と考えました」(早川氏)
話の内容を伝え聞いたご家族からも「面白い!」「聞いたことなかった!」という反響が多いので、それを「雑誌」という形でまとめたのが今回のサービスである。

では、雑誌が製作されるまでの流れをご説明しましょう。
●一度、高齢者のお宅へ訪問し、2〜3時間のインタビューと写真撮影を行う。


●毎週1〜2回(10〜20分程度)、電話でのインタビューを一ヶ月行う。


●親御さんの昔の写真等も掲載された形で、2ヶ月後に完成!

「初回訪問時のインタビューでは聞き切れなかった話や日常の話を、その後の電話インタビューで掘り起こしていきます」(早川氏)

これ、いいですよねぇ? ご家族にとっては、新発見がイッパイ! それだけでなく“見守りサービス”へも、メリットが還元されるようです。
「ご家族からご依頼を受けたとしても、『いや、まだ大丈夫だから』と高齢者ご本人から断られる場合があります。しかし『雑誌の取材なので』と申し出たら、皆さん受けていただけるんですね」(早川氏)
ご家族からの要望、高齢者のプライド、両者を満たすことのできるサービスの形が生まれたわけです。

いや、他にもメリットはある模様。高齢者への良い影響として、以下のような効果も見逃せません。
「一度お話を聞いてもらうと、『継続的に話をしたくなる』という心境になるようです。するとネタ探しのため行動が活発になり、日常の生活風景にも変化が起こります。結果、喜怒哀楽を出す機会が増え、認知症やうつの予防が期待できます」(早川氏)

そんな「親の雑誌」サービスの料金は、取材付きで5万円(税別)から。5冊の雑誌を製作してくれるそうです。
「最少5冊ですので、100冊以上作成するのが一般的な自分史のように友人・知人へ配布する煩わしさがありません」(早川氏)
年齢節目のお祝い(古希、喜寿など)や「父の日」「母の日」の親孝行としてご家族が、もしくは「80歳のうちに作っておきたい」とご本人が製作に乗り出すケースもあるとのこと。
「自分史って、高いんですよね。財を成し遂げた人じゃないとなかなか作れないですが、こちらならお気軽に検討していただけるのではないでしょうか」(早川氏)

確かに気軽だ。何せ、以下のような反応も寄せられているという。
「最初は乗り気じゃなかったものの、出来上がりを見て『2号目を出したい』と仰るご高齢者もいらっしゃいました」(早川氏)
ご家族からは「深い話ができるようになり、コミュニケーションが活発になった」「孫におじいちゃんのことを残せて良かった」という反響が届いており、この気軽さは良いこと尽くめ。

「父の日」目前にお送りした記事ですが、どのタイミングでもご検討いただける“プレゼント”だと思います。
(寺西ジャジューカ)