ミランに続きシャルケまで…不振脱出へ修道院での緊急合宿を決行

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 日本代表FW本田圭佑が所属するミランは、25日に行われたセリエA第32節ウディネーゼ戦での惨敗を理由に、ミラネッロ(ミランの練習場)で合宿を決行することを発表した。

 同じく、深刻な不振が続く日本代表DF内田篤人の所属するシャルケ。ヨーロッパリーグ本戦出場権の与えられる5位を死守すべく、週明けから修道院の敷地内にあるホテルで緊急合宿をすることとなったとドイツメディアが伝えている。

 シャルケは、3月7日のブンデスリーガ第24節でホッフェンハイムを3−1で下して以降、6試合勝利から遠ざかっている。前半戦は、3位レヴァークーゼンに勝ち点1差、4位ボルシアMGとは勝ち点27で並ぶ5位で折り返すと、ウインターブレイク明けには一時3位に浮上したが、それもつかの間だった。

 20数年に一度という成績低迷が始まると順位も後退。最近10試合の戦績は1勝4敗5分けで、6位以下との差を詰められながら辛うじて5位に踏みとどまっている。

 24日の第30節マインツ戦では、コーナーキックから2点を奪われ、無得点のまま敗れると、敵将に「メンタリティーは、大きなクオリティーに勝ることを示せた」と言われる始末だった。

 敗軍の将となったロベルト・ディ・マッテオ監督。だが、ただでは転ばず、その言葉にヒントを見つけ、メンタリティー強化を目的に修道院での合宿を決めたという。

 すでに、試合翌日(25日)の休日を没収されたシャルケの一行は、27日から30日までの4日間、クラブのホームタウンであるゲルゼンキルヒェンから東に約120キロに位置する修道院に併設されたホテルでミニキャンプを張り、1部生き残りに必死なシュツットガルトとの次節(5月2日、第31節)に備えることになる。

 かつて、ホームでバイエルンに1−5で叩きのめされたドルトムントが、就任2年目を迎えたばかりのユルゲン・クロップ監督の号令で緊急合宿に向かったものの、当の指揮官が寝込んでしまうという踏んだり蹴ったりを味わったのも、この修道院だった。

 ちょうど1年前には、ハノーファーが残留争いの正念場を前に、同施設で合宿を行っている。

 一見すると修道院の中にある高級リゾートホテルだが、サッカーが絡むと“修行場”を連想させる、おなじみの場所でもある。

 こうして、ディ・マッテオ監督の立場も苦しくなる中、昨シーズンまでチームメイトだった元ドイツ代表GKティモ・ヒルデブラントが、フェイスブック上で同監督とイェンス・ケラー前監督を比べ、その扱いの差に疑問を投げかけたことが、大きく取り上げられている。

「監督に対する評価に疑問を感じることが多い。1人(イェンス・ケラー)は過去最高成績となる後半戦だった。別の1人(ディ・マッテオ)は過去15年で最低成績だ。ケラーは些細なことまで批判され、ディ・マッテオは議論の対象になることすらない。どうして、そうなるのか? いずれにせよ、シャルカーがヨーロッパリーグ出場権を手にできるよう願っているよ!」とシャルケを案じつつ、結果と一致しない評価に対する疑問を発信している。

 こうして、場外からも批判の声が飛び込んできたディ・マッテオ監督だが、スポーツディレクターを務めるホルスト・ヘルト氏からの信頼を失う気配はない。

 ドイツ紙『ビルト』によると、マインツ戦の翌日に両者が2時間半もの話し合いを持ったという。ヘルト氏は「彼の選手起用が間違っているとか、彼にプランがないとは思っていない。選手のパフォーマンスは監督とは無関係だ。チームが責任を持たなければいけない」とコメント。

 ヘルト氏は、指揮官への変わらぬ信頼を寄せる一方で、選手にはなかなか手厳しい面も見せている。

 地元紙『Westdeutsche Allgemeine』によると、選手に1人部屋はなく、同部屋の相手も選べないという。

 ディ・マッテオ監督とともに、今回のミニキャンプ強行を決めたというヘルト氏。「参加したくない者は26日までに申告すればい。一緒に来る必要はない」と言い、不振脱出に「闘志なき者は去れ」の強硬な姿勢で臨んでいる。