22日、東京都港区のグランドハイアット東京で行われた記者会見で、業務提携を発表する、JR東日本の見並陽一IT事業本部長(右)とヤフーの喜多埜裕明COO(左)。

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ヤフー<4689>とJR東日本<9020>は22日、東京都港区のグランドハイアット東京で、「ネットとリアルの融合」を目標に掲げた包括的な業務提携を行っていくと発表した。

 今回発表された提携内容は、◆ヤフーポータルサイトでのネットショッピングを、「モバイルSuica(スイカ)」で決済できる◆ヤフーポイントをスイカに交換できる◆提携クレジットカードを発行する―という3点。サービスの開始は来年の春になる見通しで、将来的には、ヤフーショッピングで購入した品物をJR東が運営するコンビニで受け取り、スイカで決済するなどの仕組み作りを目指すという。

 スイカは2001年11月にサービスが開始されたJR東の多機能ICカード。06年4月時点で1630万枚を発行し、電子マネー機能の利用は一日最高28万件にのぼる。これまで、金融機関や大手スーパーなどとの提携で、事業基盤を強化をはかっていたが、ネット企業と提携するのはこれが初めてとなる。

 JR東の見並陽一IT事業本部長は「今回の提携により、ネットでの利用の道が開けた。新たなイノベーション、ビジネスモデルを作っていくことでも、今回の提携が道を作っていくだろう」と期待を語った。一方、ヤフーは、若年層やネット決済を体験したことがない層をターゲットに、インターネットショッピングの利用拡大を目指す。【了】