ついに終わってしまいましたねぇ。って何が? はい、日本経済新聞で2004年11月1日から1年3ヶ月にわたって連載されていた小説「愛の流刑地」、通称「愛ルケ」がついに終了してしまったんですよ。通勤電車で日経新聞を三つ折りにして「愛ルケ」を読むのが習慣だった人もさぞかし多かったのでは?

 世の純愛ブームに一石を投じたともいえる「愛の流刑地」。テーマは、「不倫」。日本経済新聞に掲載されて話題となり、映画・ドラマ化もされた「失楽園」の作者でもお馴染みの渡辺淳一が書いていました。あらすじは、主人公の作家、村尾菊治(55)と人妻、入江冬香(37)が不倫。結ばれ、逢瀬を繰り返すうちに、冬香は「目覚めて」しまいます。菊治は、エクスタシーの絶頂で、冬香を絞殺。まあ、その罪を法廷で裁かれるんですが・・・。(日経新聞より)

 百聞は一見にしかず。あたくしも、会社に置いてあった日経新聞を過去までさかのぼってひっぱりだし「愛ルケ」、読み直してみました。朝から読むにはなかなかディープな内容で、官能的な描写も細かく実に刺激的です。一応、オナゴのあたくしとしては「こんなことは現実じゃ考えられない! 3人の子持ちの女性が、そんなに簡単に冴えない中年男性に股を開くかよ! フン!」、「こりゃ、オトコ目線で書かれすぎよ!」と鼻息も荒く、拒否モード全開。しかし、それも途中まで。イヤヨイヤヨも好きのうち、読み進めるうちに主人公の行動が気になり・・・。気がついたら、ずぶずぶと深みにはまっておりました。まるで、嫌だと思っていた男に、気がついたらはまっていた感覚にそっくりじゃん! やめて! 菊治!

 「愛ルケ」の読者の反応も、賛否両論さまざま。「愛の流刑地」のあらすじを毎日まとめ、時につっこみ、時に怒りを綴っているもブログも多数ありました。それだけ熱心な読者がいたことの表れでは? それにしても、楽しんでいた人にとっても嫌っていた人にとっても、「愛の流刑地」の終了は、ちょっと寂しくありませんか?

 そんなあなたに朗報。2006年秋、東宝によりこの「愛の流刑地」が映画化されることになったんです。「主役などはまだ未発表ですが、監督は鶴橋康夫監督に決まりました。現在着々と準備中です」(東宝・映画宣伝部)

「愛の流刑地」が朝のお楽しみだった人も、実は見逃していた! という人も、映画の公開がちょっと待ち遠しいですよね?(押木真弓/verb)