東京都港区六本木のライブドア<4753>本社で11日夜、第2回パブリックジャーナリスト(PJ)塾が開かれ、元朝日新聞論説主幹代理で科学ジャーナリストの柴田鉄治さんが講演した。

 柴田さんはロス疑惑など報道による人権侵害に触れた後、報道しないことによる人権侵害について語り、「水俣病が発生した時、有機水銀が原因だとすることについて役所や有機水銀を含む工場廃液を流出させた企業は否定したが、メディアも学者の中でも意見が割れているから触れなかった。そのことが患者を大量に増やし、救済を遅らせた。大変な人権侵害だ。報道を放置したメディアも大変な加害者だと思う」と述べた。
 
 その上で「言論の自由とは、権力に対して耳の痛いことを言える自由があるかどうかだ。権力に対して都合のよいことを言う自由はいつの時代もある」と強調した。

 さらに柴田さんは「イラク戦争では日本の新聞やテレビの記者は現地から去り、残ったのはフリーのジャーナリストだけだった。ジャーナリズムは記者一人一人が支えるもので、また一人でできるのもジャーナリズムだ」として、PJにエールを送った。【了】


■関連掲示板一覧
ライブドア