タワー開業のテープカットを行う、村主章枝選手(左端)、荒川静香選手(右端)ら(撮影:吉川忠行)

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プリンスホテルがグループの最高級施設に位置づける、東京プリンスホテルパークタワー(東京都港区芝公園)が11日、開業した。

 地上33階、地下2階建てで、客室数673室。総工費約300億円。外観は三角柱に近いデザインで、各方向の部屋からは、東京タワー、レインボーブリッジなどの湾岸地区、六本木ヒルズや新宿の高層ビル群がそれぞれ眺望できる。

 客室は平均面積40平方メートル。全室にフランスの人気画家ポール・ギアマン氏の作品が飾られている。32階にあるロイヤルスイートルーム(333平方メートル)は最高で1泊98万円。一番安価な部屋(29平方メートル)でも1泊3万4000円と、プリンスホテルの中でも最高水準の料金設定となっている。また、地下2階には日本最大級の広さを誇る2394平方メートルの宴会場が2室。うち一室には、一基2000万円のバカラ社製シャンデリア21基を備えた。

 午前11時から同タワー玄関で開かれたオープニングセレモニーには、同施設の設計を手掛けた丹下都市建設設計の丹下憲孝所長や地元・港区の武井雅昭区長、フィギュアスケートの村主章枝選手、荒川静香選手が出席。元井敏文総支配人は「運営を任されて大変大きな責任を痛感している。運営は簡単ではないが、是非社員と力を合わせて頑張っていきたい」とあいさつ。村主選手も「西武鉄道の新たなスタートの象徴になってもらえれば」と期待を話した。

 同施設は、地域に開かれた都市計画公園を整備する「東京都市計画芝公園整備事業」の一環で、東京プリンスホテルや徳川家ゆかりの芝・増上寺に隣接する西武鉄道の社有地約3万7800平方メートルを活用して建設された。証券取引法違反の罪で起訴された前コクド会長の堤義明被告が手塩にかけた、グループ最後の大型事業とされる。【了】