TPP推進への批判は主に国内農業保護の立場でなされてきたが、つい最近、経済学の世界から注目すべき批判が出てきた。TPPが日本の製造業に悪影響を与えるという驚愕すべき、しかし無視できない論拠のある説である。早大ファイナンス総合研究所の野口悠紀雄氏が週刊ダイヤモンド9月24日号へ寄稿された論考では、アメリカが輸入工業製品へ課している関税が既に低いため日本の対米輸出は増えない可能性が高いと主張されている。