日本の業者、AV無断使用で提訴  違法サイト初摘発

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(新北 5日 中央社)新北市警察は4日、制作元の許可を経ずに日本のアダルトビデオをインターネット上で有料提供していたとして、著作権法違反容疑でアダルトサイト「Agogo」管理者の男2人を身柄送検した。日本のAV業者は近年、台湾での法的対応を強化しているが、実際に逮捕者が出たのは初めて。

ジャパンホームビデオ(JHV)などAV大手8社は9月ごろ、台北市の士林地方検察にAgogoによる無断転売を提訴。検察と警察の合同捜査で、管理者らが中国大陸のサイトなどから大量のAVをダウンロードし、インターネットのクラウドサービスで管理、Agogoの会員に販売していたことを突き止めた。同サイトは「日本の業者と協力関係にある」などと虚偽の宣伝をしていた。

このサイトはAV愛好家の間では有名で、これまでに無断転売された作品は確認されている範囲で1万6892本、これらを同サイトから有料ダウンロードした会員はのべ20万人以上に上ると見られ、業者らは1億台湾元(2億8300万円)以上に相当する著作権侵害があったとしている。

日本の業者は、台湾で横行する無断使用や海賊版などに頭を悩ませていたが、台湾では性産業に否定的な社会風潮が強く、またわいせつ作品であるAVは著作権法で保護される「著作物」に該当しないとする最高裁判決(1999年)が出ているため、訴訟を引き受ける弁護士がなかなか見つからなかったという。

JHVら8社は2010年に初めて、台北の維揚法律事務所を通し、中華電信のネットAVチャンネルが著作権を侵害しているとして1.5億台湾元の損害賠償を求め提訴。その後も複数の業者を訴え、いずれも係争中だが、こうした積極的な行動は一定の効果をもたらしているようで、担当弁護士は、今回警察がすぐに動いたことは大きな変化だと話している。