プレゼン1つで3,000万!戦略コンサルのプレゼンテーションまとめ
コンサルティングファームはいったいどのようなことをやっているのか?
企業に対して戦略立案からコストカットまで、知恵を絞って提案をするプロフェッショナル集団であるコンサルですが、内情はなかなか見えてきません。
というのもコンサルには守秘義務があり、クライアント名はもちろんのことどういったプロジェクトを手がけているのかに関しても、厳しい箝口令が敷かれているからです。
よってコンサルが仕事内容について語る場合は、「大手電気メーカーの組織改編」とか「通信大手のグローバル戦略立案」といった、ぼかした表現にせざるを得ず、他業界の人にとってなかなかイメージしづらい状況になっております。
仮に、トヨタ自動車が製造・販売しているレクサスをインド市場投入する際の戦略立案をお手伝いしているコンサルティングファームがあったとしたら、そのプロジェクト内容についての生々しいお話は学生にとっても、他業界の方にとっても、大変面白いお話だとは思います。
しかし当然のことながら、クライアントの利益を損ねる結果になりかねませんし、株価変動など資本市場に与える影響も大きいですので、それは決して許される行為ではありません。
でも、コンサルティングファームがどういった内容を提案しているのかが見たい!という方も多いと思います。実は官公庁向けに進めているプロジェクトも多数あって、こちらは各省庁のサイトで公開されております。
またファームの中には本国公式サイトにも掲載されているものもあったりします。
下記まとめてみましたので、お時間あるときに是非ご覧ください。
財政融資資金貸付金残高の縮減に向けた証券化活用の課題と提言
経済財政諮問会議に向けて、マッキンゼー・アンド・カンパニーのディレクターである本田氏が作成したプレゼンテーション資料です。
Introducing Bain and the way we work
ポルトガルにおけるキャンパスリクルーティングのプレゼンテーション資料です。
新リスボン大学とポルトガル・カトリック大学が共同で行なっているMBAプログラムの学生に向けた資料のようです。
Management Tools and Trends 2009
各国各社の経営陣がどういったツールを活用して、意志決定しているかの資料をまとめたものです。
経営ツールなので、ベンチマークとかアウトソース、アライアンスなどの項目になります。各国の傾向がわかります。
メディア・コンテンツ分野における戦略構想及び他分野への波及効果調査(経済産業省)
経済産業省はクールジャパンを掲げ、日本のクリエイティブ関連産業振興を目指す戦略を進めております。このテーマについて官民有識者会議を頻繁に開催しており、その議論における参考資料としてA.T.カーニーが分析・調査した報告書が上記になります。コンテンツ業界の各国市場規模から傾向、ディズニー社の戦略にいたるまで、詳細に分析されているので読んでいるだけでも面白いです。
ちなみにこの会議の有識者リストはこちら
コンテンツ業界からアートの世界まで、さまざまなメンバーが参加しております
クリエイティブ産業海外展開に向けた調査報告書(経済産業省)
こちらもクールジャパン、官民有識者会議に向けた資料になります。グローバルでヒットした国内コンテンツの整理・分類と、今後クリエイティブ産業を世界に波及させていくための戦略について、言及しています。
エネルギー政策を取り巻く環境変化を踏まえた我が国における産業構造変化調査事業(経済産業省)
経済産業省が今後のエネルギー政策を策定する上で、産業構造がどのように変化していっているかの詳細調査資料です。
Arthur.D.Little Class
上記ベイン同様、キャンパスリクルーティングのプレゼンテーションです。
India Automotive Market 2020
インド自動車マーケットの詳細分析です。2030年半ばまでにはUS自動車市場を上回ると予測しております。
環境・エネルギー分野における有望技術を用いたまちづくりの海外先進事例
環境を力にするビジネス戦略を策定するために、経済産業省が開催している「産業構造審議会 環境部会」でドリームインキュベータが提出した資料になります。
こういった分析資料は最終成果物になるのですが、ここに到るまで膨大な量の議論を経て、いくつものドラフトを作成しています。
入社したばかりの若手は特に議事録と資料作成に追われることが多く、エクセルでの分析・パワーポイント作成・ドキュメンテーションについては、ハイスピードで作れるように訓練されます。特にエクセルはショートカットを丸暗記して、マウスをなるべく使わずに進めることが求められます。
各社プレゼンテーションを見てみると、マッキンゼーは白黒、ベイン、カーニーは赤、ベルガーは青などファームによって配色に特徴があります。どういった環境で印刷しても同様に表示させるために、マックは白黒でプレゼン作成しているという話もあります。
例えば上記にありましたA.T.カーニーのクールジャパン戦略についての資料は、下記に公開されております。
平成23年行政事業レビューシート(経済産業省)
こちらの6ページ目にメディア・コンテンツ分野戦略構築・波及効果調査で支出額が30百万円とかいてあるので、調査・分析で3,000万円かかったことが分かります。
また「電気自動車・V2Gをめぐる各国の動向に関する調査」については、入札が行われており、A.T.カーニーが約1,500万円で落札したのが公表されております。
入札結果に関わる情報
日系から外資系までさまざまなコンサルティングファームが、いくらで札を入れたのかが分かりますね。
平成24年7月-9月
平成24年度 コンテンツ産業強化対策支援事業(映像コンテンツ海外展開支援のあり方に関する調査研究)ではアーサー・ディ・リトル・ジャパンが約6,000万円で落札しています。
随意契約一覧表(委託費の類)
「低炭素型・環境対応インフラ/システム型ビジネスのコンソーシアム形成等支援事業(高速鉄道)」についてはマッキンゼーが約7,000万円で落札、上記ページにはドリームインキュベータも入っており、こちらは約2,000万円となっております。
もちろんプロジェクト次第なのですが、1,500万円から〜7,000万円とかなり高額であることをうかがい知ることができます。
プレゼン1本数千万円といった裏には、優秀なコンサルタントによる膨大な量の調査・分析が必要になります。皆様もコンサルタントになったら、こういった資料を作るべく、東奔西走することになります。
ぜひ今からイメージをふくらませて、就職活動を頑張ってください!
■関連記事
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・現役戦略コンサルタントに学ぶ化粧品マーケティング戦略:グループワークセミナーのご案内
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企業に対して戦略立案からコストカットまで、知恵を絞って提案をするプロフェッショナル集団であるコンサルですが、内情はなかなか見えてきません。
というのもコンサルには守秘義務があり、クライアント名はもちろんのことどういったプロジェクトを手がけているのかに関しても、厳しい箝口令が敷かれているからです。
仮に、トヨタ自動車が製造・販売しているレクサスをインド市場投入する際の戦略立案をお手伝いしているコンサルティングファームがあったとしたら、そのプロジェクト内容についての生々しいお話は学生にとっても、他業界の方にとっても、大変面白いお話だとは思います。
しかし当然のことながら、クライアントの利益を損ねる結果になりかねませんし、株価変動など資本市場に与える影響も大きいですので、それは決して許される行為ではありません。
でも、コンサルティングファームがどういった内容を提案しているのかが見たい!という方も多いと思います。実は官公庁向けに進めているプロジェクトも多数あって、こちらは各省庁のサイトで公開されております。
またファームの中には本国公式サイトにも掲載されているものもあったりします。
下記まとめてみましたので、お時間あるときに是非ご覧ください。
コンサルのプレゼンまとめ
マッキンゼー・アンド・カンパニー
財政融資資金貸付金残高の縮減に向けた証券化活用の課題と提言
経済財政諮問会議に向けて、マッキンゼー・アンド・カンパニーのディレクターである本田氏が作成したプレゼンテーション資料です。
ベイン・アンド・カンパニー
Introducing Bain and the way we work
ポルトガルにおけるキャンパスリクルーティングのプレゼンテーション資料です。
新リスボン大学とポルトガル・カトリック大学が共同で行なっているMBAプログラムの学生に向けた資料のようです。
Management Tools and Trends 2009
各国各社の経営陣がどういったツールを活用して、意志決定しているかの資料をまとめたものです。
経営ツールなので、ベンチマークとかアウトソース、アライアンスなどの項目になります。各国の傾向がわかります。
A.T.カーニー
メディア・コンテンツ分野における戦略構想及び他分野への波及効果調査(経済産業省)
経済産業省はクールジャパンを掲げ、日本のクリエイティブ関連産業振興を目指す戦略を進めております。このテーマについて官民有識者会議を頻繁に開催しており、その議論における参考資料としてA.T.カーニーが分析・調査した報告書が上記になります。コンテンツ業界の各国市場規模から傾向、ディズニー社の戦略にいたるまで、詳細に分析されているので読んでいるだけでも面白いです。
ちなみにこの会議の有識者リストはこちら
コンテンツ業界からアートの世界まで、さまざまなメンバーが参加しております
ローランドベルガー
クリエイティブ産業海外展開に向けた調査報告書(経済産業省)
こちらもクールジャパン、官民有識者会議に向けた資料になります。グローバルでヒットした国内コンテンツの整理・分類と、今後クリエイティブ産業を世界に波及させていくための戦略について、言及しています。
アーサー.D.リトル
エネルギー政策を取り巻く環境変化を踏まえた我が国における産業構造変化調査事業(経済産業省)
経済産業省が今後のエネルギー政策を策定する上で、産業構造がどのように変化していっているかの詳細調査資料です。
Arthur.D.Little Class
上記ベイン同様、キャンパスリクルーティングのプレゼンテーションです。
ブーズ・アンド・カンパニー
India Automotive Market 2020
インド自動車マーケットの詳細分析です。2030年半ばまでにはUS自動車市場を上回ると予測しております。
ドリームインキュベータ
環境・エネルギー分野における有望技術を用いたまちづくりの海外先進事例
環境を力にするビジネス戦略を策定するために、経済産業省が開催している「産業構造審議会 環境部会」でドリームインキュベータが提出した資料になります。
どうやって作っているのか
こういった分析資料は最終成果物になるのですが、ここに到るまで膨大な量の議論を経て、いくつものドラフトを作成しています。
入社したばかりの若手は特に議事録と資料作成に追われることが多く、エクセルでの分析・パワーポイント作成・ドキュメンテーションについては、ハイスピードで作れるように訓練されます。特にエクセルはショートカットを丸暗記して、マウスをなるべく使わずに進めることが求められます。
各社プレゼンテーションを見てみると、マッキンゼーは白黒、ベイン、カーニーは赤、ベルガーは青などファームによって配色に特徴があります。どういった環境で印刷しても同様に表示させるために、マックは白黒でプレゼン作成しているという話もあります。
作ってもらうのにいくらかかるのか
例えば上記にありましたA.T.カーニーのクールジャパン戦略についての資料は、下記に公開されております。
平成23年行政事業レビューシート(経済産業省)
こちらの6ページ目にメディア・コンテンツ分野戦略構築・波及効果調査で支出額が30百万円とかいてあるので、調査・分析で3,000万円かかったことが分かります。
また「電気自動車・V2Gをめぐる各国の動向に関する調査」については、入札が行われており、A.T.カーニーが約1,500万円で落札したのが公表されております。
入札結果に関わる情報
日系から外資系までさまざまなコンサルティングファームが、いくらで札を入れたのかが分かりますね。
平成24年7月-9月
平成24年度 コンテンツ産業強化対策支援事業(映像コンテンツ海外展開支援のあり方に関する調査研究)ではアーサー・ディ・リトル・ジャパンが約6,000万円で落札しています。
随意契約一覧表(委託費の類)
「低炭素型・環境対応インフラ/システム型ビジネスのコンソーシアム形成等支援事業(高速鉄道)」についてはマッキンゼーが約7,000万円で落札、上記ページにはドリームインキュベータも入っており、こちらは約2,000万円となっております。
もちろんプロジェクト次第なのですが、1,500万円から〜7,000万円とかなり高額であることをうかがい知ることができます。
いかがでしたか?
プレゼン1本数千万円といった裏には、優秀なコンサルタントによる膨大な量の調査・分析が必要になります。皆様もコンサルタントになったら、こういった資料を作るべく、東奔西走することになります。
ぜひ今からイメージをふくらませて、就職活動を頑張ってください!
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