いつの間にか、子供ばかりが幅を利かせる芸能界で唯一、その存在感を見せつけているのが、熟女優だろう。単発、連続問わず、高視聴率を稼ぎ出すのは、安定感抜群のベテランばかり。そんなドル箱熟女優たちの人気の理由を探った─

 高視聴率を叩き出す熟女優。それにしても、なぜ彼女たちは視聴者を引き付けるのか?ドラマに強い識者の分析を交えてお届けしよう。

「体のラインを出すファッション性に秘密がある」

 今回のアンケート上位の熟女優に共通するのは、年齢を感じさせないファッションにあるというのは、アイドル評論家の小谷哲氏である。続けてもらおう。

「体の中でも特にお尻ですね、ポイントは。オッパイではない。だんだん年齢が上がってくると、やはりお尻のラインをキレイに保っている人が、人気を維持している傾向が見受けられますね」

 人気アンケートでトップの座をゲットした天海祐希(45)については、

「貧乳ですけど、スタイルがよくて、いつもタイトなファッションを着こなしていますね」(小谷氏)

 2位の沢口靖子(47)も、「科捜研の女」(テレ朝系)を見ると、確かにピッチリしたパンツスタイルが多い。小谷氏が続ける。

「ドラマのストーリーとか謎解きのおもしろさはあるんでしょうけど、“この女優なら必ず見る”という時、やはりお尻周りのセクシーポイントが鍵になるんですね。しかも刑事ものだったり、弁護士や教師だったりします。知的なかっちりしたイメージです。そういう強さとセクシーさが入り交じったキレイな女性に怒られたい(笑)」

 体のラインを出すファッション性という点では、「警視庁捜査1課9係」(テレ朝系)の羽田美智子(43)も見逃せない。代表的な意見としては、

「ソフトな当たりで知的な感じ」(埼玉県・42歳)

 という印象だが、

「これがかなりヒップラインを強調している。犯人と格闘して投げ飛ばした時に、スカートがタイトすぎて後ろのスリットが破れるシーンもありました」(前出・小谷氏)

 一方、インターネットサイト「All About」で「ドラマガイド」を担当するドラマ評論家・黒田昭彦氏は、女優の役柄イメージに注目する。

天海祐希は、宝塚男役出身のカッコよさが生かされています。ただ最近は、役柄がワンパターン化しているんですね。『BOSS』(フジ系)の刑事役から、理想の上司役パターンですね」

 松嶋菜々子(38)にも同じことが言えるという。

「彼女はドラマのセレクションがうまくて、00年の『やまとなでしこ』(フジ系)以来、出る作品、出る作品を当てています。昨年、『家政婦のミタ』(日テレ系)のような変わった役を当てましたが、今後、どうなっていくのかな? と興味深いところです」(黒田氏)

 2位の沢口靖子は熟女優という範疇から外れるとして、黒田氏はこう続ける。

「お堅い感じです(笑)。“東宝シンデレラ”ガールですし、永遠のマドンナ。だから『科捜研の女』でも、相手役の内藤剛との仲は全然進展していないし、これからも男女の関係になりそうにない」

 だが、これだけの票を集めるのはお堅いイメージがあるからこそ。

「清楚で理知的な雰囲気がいいです」(東京都・43歳)

 そうした中、黒田氏が最近注目しているのが、第4位の麻生祐未(49)だという。

「トレンディドラマの出身ですが、何かここに来て、いちばん色気が出てきたな、という感じがします。09年からの『サラリーマンNEO』(NHK)あたりでしょうか。非常に魅力のある、大人の女優になったという感じです」

 ニュー熟女優として、遅咲きの大ブレイクの期待がかかる。

 そして、前出の黒田氏は“熟女優”という言葉にこんなこだわりを見せる。

「熟女優というと名取裕子(55)と、かたせ梨乃(55)。私はこの2人をずっと考えていたんですけど、若い頃に映画『吉原炎上』(87年、東映)で2人とも脱いでいるんです。昔はここぞという時に脱いで、最近はそうでもないけどイザとなったら、ど〜よ! というのが熟女優なんですね」

 視聴率を稼ぐ熟女優たちには“SEXアピール”という共通項がある、ということに間違いはない。