カラテカ入江の処世術「才能がなくても“後輩力”さえあれば生き残れる」
驚異の人脈で“友達5000人芸人”と呼ばれているお笑いコンビ、カラテカの入江慎也が、その人脈づくりの秘訣を明かした著書『後輩力 凡人の僕が友だち5000人になれた秘けつ』(アスコム/1365円)を出版した。
今田耕司や雨上がり決死隊などの大物芸人をはじめ、有名アスリートやミュージシャンなどあらゆる業界の先輩たちからかわいがられている入江氏。彼によると、「後輩力は人付き合いをうまくしてくれて、人脈やつながりを広げ、公私ともに充実する……そんな素晴らしい力なんです!」とのこと。
ちょっと怪しい勧誘文句のようだが、入江氏が先輩から愛され、その人脈で成功を収めているのは事実。いったいどうすれば「後輩力」を磨けるのか、本人を直撃した。
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入江 後輩力とは、「憧れの先輩のために自分のできることをする」、そして「先輩の姿を近くで見て勉強させてもらう」のが基本姿勢です。
大好きな先輩にお世話になれば、「その先輩のために何かをしたい」と考えるようになり、ひいては「自分が成功して恩返しをしたい」と思うようになります。先輩をリスペクトすること、それが後輩力の源なんです!
――入江さんが後輩力を身につけたきっかけとは?
入江 僕には自信が持てる芸がひとつもありませんでした。そこで自分の好きなモノはなんだろうと突き詰めていったところ“人”だなって思ったんです。
そこから吉本の先輩に自分のことを知ってもらおうと思い、引っ越しの手伝いを始めたら……人脈が一気に広がって、今田耕司さんやロンドンブーツ1号2号さん、次長課長さんといった憧れの先輩にかわいがってもらえるようになりました。
「入江くらいの才能で、これだけ仕事があるのは奇跡」とよくいわれますが、才能がなくとも、人脈と後輩力さえあれば、この世界で生き残っていけるということを実感してます(笑)。
――入江さんのように後輩力を磨くコツとは?
入江 よく「後輩力」とゴマスリをはき違えている人がいますが、心からのリスペクトがあるのが「後輩力」、ないのがゴマスリです。
一流の先輩方と接してわかったのが、一流の人ほど「てんぐにならず、妥協せずに努力をしている」ということ。僕より才能のある人たちが僕よりも努力している姿を見せられたら、がんばらなきゃなって思うし、リスペクトも生まれます。
芸人、サラリーマンにかかわらず、てんぐになったり、態度がデカい人っていると思うんですが、そういう人って、すてきな先輩に巡り合えていないんだと思います。
だからまずはリスペクトできる先輩を探してください。人は生まれたときから後輩、灰になるまで後輩です。
(取材/高篠友一、撮影/井上太郎)
■入江慎也(いりえ・しんや)
1977年4月8日生まれ、東京都出身。97年11月に矢部太郎とお笑いコンビ、カラテカを結成。本人はツッコミ担当。アスリート、ミュージシャン、女優、各界の社長など幅広い人脈を持ち、現在は“友達5000人芸人”と呼ばれている。「日本後輩協会」会長。
■週刊プレイボーイ29号『カラテカ入江が教える「後輩力」を磨く格言13』より