『ちいさい・おおきい・よわい・つよいNo.87』(ジャパンマシニスト社) 第二特集は「フッ素洗口は危険」

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『ちいさい・おおきい・よわい・つよい』という雑誌がある。
「こどもの体と心と暮らし」の本だ。
最新のNO.87は、「こどもが不安そうに見えるとき」という特集。
こどもを持つ親はもちろんだけど、そうじゃない人にとっても役立つ内容になっている。
「自分の不安をどうすればコントロールできるだろうか」「ともだちが不安がってるときにどうしてあげられるだろう」って思ってる人は、ぜひ読んでみてほしい。

発達心理学・法心理学の浜田寿美男「大人の不安とどうちがう?」では、「不安」に関する積極的な意味が語られる。
不安というのは、新たな世界へと展開していく節目である。赤ちゃんの分離不安は、“それまでの身近な人とだけの関係から踏み出して、新たな安心の場を築いていくために必要なもの”だ。
だから、“こどもの不安に正面から向きあって自分自身も不安になってしまうようなことは避けて、むしろこどもの横に並んで、こどもの不安の先にある新しい世界をともに見つめる”必要がある。

精神科医の宮地尚子も、「感情が生まれることは悪いことではない」と語る。
F:恐怖(Fear)
O:義務感(obligation)
G:罪悪感(guilt)
という、人間が強く縛られる三つの感情「FOG」を紹介して、ことばにしてみることを薦める。

ぼんやりと不安だと思うのではなく、しっかりと考えてみる。
「不安」と呼んですませている感情も、
“よく考えてみると、「親というものはこうすべきだ」という義務感や、「こうできなかった私がいけないのだ」という罪悪感、「こんなことしていたら怒られるかもという恐怖など、さまざまな役割意識に縛られた結果かもしれない”。
だから、そこをふり返ってみる。
そうすると、なにをしたらいいのか見えてくる。不安ではなくなる。
不安は、漠然としているから感じる。
“認識するだけでも不安は多少おさまります”。

こどもが、不安になっているときはどうすればいいのか。
“親にできるのは、そんなさまざまな感情と適切なことばをつないであげることなのです”。
“「さびしいんだね」とか、「いいと思ってやったのにしかられたから、怒ってるんだね。くやしいんだね」といったことばで、ラベリングしてあげる。感情を表すことばを少しずつあたえてあげるのですね”。

児童文化研究家・村瀬学「メイちゃんはなぜトウモロコシをかかえて走ったのか」では、『となりのトトロ』のエピソードを紹介する。

“メイは、週末に病院からお母さんが帰ってこないことを知らされ、一気に不安になり泣きじゃくる。そして、さらにお姉ちゃんとおばあちゃんの心配そうな会話を遠くから聞いてしまう。”
そのメイが、おばあちゃんにもらったトウモロコシをかかえて走り出したのはどうしてだろう?
不安でいっぱいのメイにとって、「もちろんさ。ばあちゃんの畑のもんを食べりゃ、すぐ元気になっちゃうよ」というばあちゃんの言葉が、唯一の希望だったのだ。
“衛生管理のことを子どもに教えるのは大事だと私も思う。しかし衛生管理や放射能からの予防という使命感のもとに、不安感だけが強調されるような「指導」や「しつけ」をしてゆくのはよくないと私は思う。子どもは希望に引っ張られても生きているからである”

身近な人や、こどもたちと、「メイのトウモロコシ」を分かち合えるように、「不安」の先にある道へ歩いていこう。(米光一成)