日本時間8日早朝、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有がオープン戦に初登板を果たし、サンディエゴ・パドレスを相手に2回無失点、3三振でメジャー・デビューを飾った。

同夜、テレビ朝日「報道ステーション」では、野球解説者・工藤公康氏がダルビッシュのピッチングを振り返りつつ、試合中に彼が見せた“ある変化”を指摘した。

「私が注目したのは、ダルビッシュ投手が自分の投げたい球種を投げることができたのかというところです。チームに、キャッチャーに、自分の特徴を理解して貰う。いわば、マウンドの上で自己紹介ができたかというところ」と戦前にポイントを語っていた工藤氏は、試合後「全球種を投げることができました。やりたいことは全てできたという風に思います」と評価した。

すると、番組内では、ダルビッシュが1回2アウト2塁のピンチになった場面で、工藤氏がリアルタイムで解説する音声が紹介された。

「セットの入り方が変わったの、分かった?」と切り出した工藤氏は、ピンチを迎えたダルビッシュの構えが変わったことを指摘。「膝を右に少し曲げてるでしょ? ギアがセカンドにいったのかな」と語り、「ここで打たれたくないから抑えるのにちょっと力を入れるかって、ちゃんと(膝を)はめた状態でいけば力が出るっていうのを確かめたのかもしれない」と説明した。

膝の角度を変えて、より力を込めて投球したというダルビッシュ。工藤氏は“ギアをセカンドに……”と(本人は知ってか知らずか)人気アニメ「ワンピース」のルフィの如く表現したが、具体的には「実はあのピンチの場面、ダルビッシュ投手がどうして膝を曲げてギアを上がった状態で強いボールを投げることができたのか。まず重たいものがあるとします。膝を伸ばした状態で押そうとした時に、どうしても下半身の力が使えず、上体だけで押してしまうので重たいものは押せませんよね。膝を曲げて重心を落とした状態で押そうとすると、下の力がしっかり重たいものに伝わって強くなる。そういった意味でダルビッシュ投手はあの時にそれができたと思うんですけど、実はダルビッシュ投手、日本で投げている時、ピンチの時もそういう投球ができたんです」と詳細を語った。

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