2人に何があったのか。1月5日、兵庫県神戸市東灘区の高層マンション11階に住む川本麻美さん(27)が首を絞められ死んでいるのを、同居する家族が帰宅して発見。通報を受けた東灘署が麻美さんの交際相手の神戸市長田区に住む仁野亮容疑者(26)から事情を聴いたところ犯行を認めたため、6日、殺人容疑で逮捕した。

 2人は神戸市内の派遣会社に勤める同僚で、約半年前からお互いの部屋を行き来するなど、親密に交際をしていた。しかし、なぜか昨年暮れに揃って退社。
 「2人は元旦をディズニーランドで過ごし、近くの高級ホテル『ヒルトン東京ベイ』に宿泊しています。ところが、2日のチェックアウト間際になって客室の壁にオイルを撒き、火を点けるという奇行に走ったのです」(社会部記者)

 鳴り出した火災報知器に驚いた2人は、従業員の制止を振り切って立ち去り、放火未遂罪で追われる身となった。
 「宿帳に記した住所も氏名もデタラメでしたが、千葉県警は残留物から川本さんの身許を割り出し、神戸へ捜査員を派遣、兵庫県警にも捜査協力を依頼し、仁野容疑者の身元もすぐに割れたのです。麻美さん殺害は、行方を追っている間に起きてしまいました」(捜査関係者)

 仁野容疑者は警察の調べに対し、「もともと放火事件を起こしたのは彼女(麻美さん)なのに、ディズニーランドから帰ってからも、そのことをグチグチと言うのでカッとなって絞め殺してしまった」と供述しているというが、捜査関係者によれば、一連の行動が軽はずみなものとは断定できないという。
 「放火に使用したライターのオイル缶と食用油缶は麻美さんの旅行バッグの中にあり、火を点けたのも麻美さんと見られています。一方、仁野容疑者が麻美さんの首を絞めた帯は、ディズニーランドから帰った後に宿泊した神戸のホテルのもので、それをわざわざ持ち出している。それぞれ計画的で、どちらかが無理心中を持ちかけた可能性もあり、疑問が尽きないというわけです」(前出・社会部記者)

 この事件、千葉から派遣された捜査員が有馬の温泉施設で入浴中、何者かに捜査書類を盗まれるというオマケ付き。解明が急がれる。