いまやテレビで見ない日はないほど流れているソーシャルゲームのCM。その大手サイトには数千万人もの登録があるといい、もはや現代人の生活に欠かせない存在になっている。

 モバゲーを運営するDeNAが横浜ベイスターズの親会社になったように、ソーシャルゲーム運営会社の社会的な認知度・信用度が高まる一方で、いまだ批判的意見があるのも事実。その多くは、ゲームをスムーズに進行させるための有料課金アイテムが数多く用意されている点。分別のある大人ならば、買う買わないの判断に責任が持てるが、小さな子供の場合はそうもいかない。親の知らない間に高額の請求書が送られてくるトラブルがしばしば起こっている。

 もちろん、こういった事態はどのネットショッピングでも起こりえることなので自己責任ともいえるが、つい先日も某ゲーム開発者が「細かなゲームバランスよりも課金機会の演出、効果のほうが大事」と発言して物議を醸している。こういったソーシャルゲームのあり方に対し元『2ちゃんねる』管理人のひろゆき氏は、「ユーザーが満足ならば問題ない」とする一方で、規制も必要だという。

「ソーシャルゲームで気になるのは射幸心をあおるゲームが多いということ。ゲーム自体を楽しむのではなく、『お金を払うと大きなものが得られるかも!?』という未知の魅力に対してお金を使わせるわけで、それはゲームセンターに多い方式なんですよ。それで、ゲームセンターは24時以降(日の出まで)は営業をしてはいけないという風営法の基準が適用されているはずなんです。それから、ネットでもカジノがアウトなように、射幸心をあおるゲームとかには風営法を適用してもいいと思うんですけどね」

 キャバクラなどの飲食店、パチンコなどの遊技場、そして性風俗営業に適用される風営法。前出のゲーム開発者のように、「課金機会の演出、効果のほうが大事」と考えているのならば、同じく射幸心をあおってお金を使わせる「パチンコのCMと同じくらいは規制されてもいいような気はしません?」というのがひろゆき氏の考えだ。

「パチンコは法律上お金は儲からないことになっていて、『お金を払って玉が出てきたら景品が手に入るかも』という射幸心自体が目的ですよね。だからソーシャルゲームはパチンコに近い。もしオンラインパチンコを作ったら、たぶんパチンコの法律が適用されるでしょう。だから射幸心をあおることが目的なら、同じ規制をしたほうがいいと思うんですよ」(ひろゆき氏)

 ネット上に無料で使える巨大掲示板を作り上げたひろゆき氏、「クリエイティビティや哲学という部分にエネルギーを注がずに売り上げを最大化しようとすると、最終的に面白いものがアウトプットされなくなる」と結んでいる。

(取材/杉原光徳、撮影/本田雄士)

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