CWCが日本で開幕したころ、スペインでは、レアル対バルサが行われようとしている。今回はそのプレビューをやってみようのコーナー。なお、前回のプレビューは浦和対福岡で浦和が苦戦するだろうなみたいなことを書いた。で、結果は試合を確認していないので、不明。ナビスコのプレビューでは田代をスタメンと書いて、おもいっきり外れた。なので、そんなもんなんだなとハードルを下げて、ご覧いただくのがお互いのためになると思う。

 ──久々の登場です。最初に試合の注目点をお願いします。

 レアルはどのようにして、バルセロナにボールを保持させないか。その方法論が一番の試合の注目点になると思います。

 ──バルセロナにボールを保持させないかですか。ということは、バルセロナにボールを保持させて、自陣に引きこもるとか、ハーフラインからのプレッシングで臨んでくることはないと考えているのですか?
 そうですね。会場もレアルのホームですし、最近のレアルはいわゆる積極的な姿勢がとても目立ちます。ゴールの前にバスを止める作戦が決して消極的だというつもりはありません。だた、守備でもどんどん相手を追い掛け回すほうが、より積極的であり、攻撃のマインドに似ているということです。

 ──つまり、レアルは高い位置からプレスをかけてくると予想しているわけですね。

 バルデスからのゴールキックも味方に繋がせないようにしてくると思います。前線からマンマーク気味に相手を潰していって、バルサにボールを保持させないという戦術を採用すると、予想しています。

 ──つまり、バルセロナの後方の選手たちにボールを保持する時間とスペースを与えないということでしょうか。

 そうです。これまで積み上げてきた今季のサッカーから考えると、いきなり引いて守備ブロックを形成はリスキーすぎます。また、バルセロナからすれば、相手が引いてくれれば、好きなだけボールを保持して攻撃を仕掛けてきます。それに耐えられるチームは数少ないですし、前線の選手が守備をさぼる癖のあるレアルでは、それに耐えられる可能性はごくわずかです。

 ──となると、序盤のバルセロナはロングボールで相手の裏を狙いたいですね

 それが狙ったロングボールになるのか、苦し紛れのロングボールになるかはちょっとわかりませんけど。で、ここで問題になってくるのが誰が裏を狙うのかです。セスクも裏を狙うのは難しいですが、前プレ回避のためのロングボールと中盤から出てくるボールは質が違います。前プレ回避のためのロングボールに飛び出すのビジャやペドロのほうが適任でしょう。

 そして、WGの役割が重要になります。今季のサイドにはりついた状態だと、相手の中央の選手になかなか仕掛けられません。昨年までの相手のCBとSBの間を狙うような役割だと、相手の中央とも勝負することができます。なので、もしも序盤がバルセロナがロングボールを狙うような状況になれば、注目するのはWGの役割です。もしも、サイドにはりつく作戦だったら、その作戦をこえられるかが注目です。

 ──他にバルセロナにボールを保持させない作戦はありますか。

 レアルがボールを保持するです。ただ、バルサに比べると、レアルは個人への依存が強いです。バルサだってメッシへの依存が強いじゃないかと誰かが叫んでいます。その通りなんですが、依存の意味合いが違います。例えば、バルサはメッシが、またはシャビがマンマークされようとも、試合の内容が大幅に変わることはありません。恐らくボールを保持しているでしょう。

 しかし、レアルの場合はシャビ・アロンソにマンマークをつけられると、試合の内容が大幅に変わります。ただし、レアルには他にも武器があるので、結果にはそこまで影響しません。逆にメッシが試合から消されたら、バルサは試合内容は変わらなくても結果が出ないかもしれません。ちょっと違う依存の仕方。

 で、ここで注目なのはバルデスたちがロングボールを蹴って、それをレアルの選手がフィジカルでボールをキープできました。さて、そのあとにシャビ・アロンソを経由した攻撃が仕掛けられるんしょうか。それとも、ボールを回しながら、バルサの攻撃の時間を削られるのかということになります。

 ──レアルがボールを保持できるとはちょっと考えにくいです。

 そうですね。バルサがボールを奪いに来なければ、レアルはボールを保持できるでしょうが、間違いなくボールを奪いに来るでしょう。なので、厳しいと思います。セルヒオ・ラモスやペペには能力がそなわっていますが、カシージャスがダメです。でも、この間の試合で珍しく繋いでいて、びびったんですけど。

 ──バルサのプレスはいつもどおりですかね。

 ボールホルダーにがっつりくるでしょうね。ただ、最近はボールを失ったときのプレスの圧力が弱くなっているので、そこには注目していいかもしれません。ただし、これは相手を押し込んだときのみの現象なので、レアルがプレスのラインを下げる後半の話ですけど。下げないかもしれないし。または、バルサがレアルの最初のプレスをかいくぐった時。

 ──ここも注目点ですね。レアルがボールを保持できるか。

 バルサがボールホルダーの密集にシャビ・アロンソへの対応もつけくわえてくるかも注目です。ここのキーマンはエジルとレアルのCB、そして、カシージャスでしょうね。

 ──バルセロナからボールを取り上げる方法についてはわかりました。他に注目点はありますか。

 ありません。

 ──では、質問です。システムはどうなると思いますか。
 レアルが高い位置からプレスにいくので、システムはあんまり関係ないと思います。システムが関係してくるのは、レアルが高い位置からのプレスをやめたときでしょうね。やめる理由は何によるかわかりませんが。ガス欠、予想外の大量リード、一人退場した、いろいろ考えられます。

 ──質問を変えます。バルサは最初にどんなシステムで来ると思いますか。

 最初は4-3-3。それで途中から3-4-3。理由は4-3-3のほうが相手のカウンターに対応しやすいからです。3-4-3はサイドの守備が曖昧になるので、カウンターのときに逆サイドにふられると、一気にピンチになります。ここでシャビ・アロンソの代わりにサイドチェンジできる選手がいると、レアルの勝つ確率は恐ろしく上がります。サヒンはまだベンチですけど。

 ──レアルはどんなシステムで来るでしょうか。

 さっきもいいましたが、レアルは相手の位置にあわせるので、予測は無意味です。ここで重要なのは誰にどんなタスクをおわせるかでしょう。システムではありません。だから、トリプルボランチやるのやらないのって話になっているのでしょう。

 ──トリプルボランチやりますかね。というか、トリプルボランチって変な言葉ですね。

 エジル、シャビ・アロンソ、ケディラでいいと思います。というか、ディマリアを外すのがもったいないです。え、ディ・マリアとエジル、クリロナの3トップにすれば、いけるって??それが見たいんですけどね。

 ──では、おおまかな試合展開を予測してください。

 試合開始の合図と共に、レアルは超攻撃的な前プレでバルセロナにまったく攻撃の形を作らせない。あのクリロナも守備に奔走することで、今日は何かちがうぞレアルという雰囲気が会場に充満。そして会場がヒートアップし、レアルの攻撃的な守備はさらに勢いを増す。

 ここで、バルセロナがビルドアップミスで失点したり、裏へのロングボールでビジャが抜けだしてズドンなんてことになるか注意。注目はバルサのWGの役割。中央への進出を許可されているか、勝手に判断するか、サイドでじっとしているか。

 で、30分過ぎまでにバルサはボトムチェンジで徐々にボールを落ち着けるようになっていく。ブスケツがCBの中央に移動したり、アウベスの位置に移動することで、3バックに変化することで、システムのミスマッチを誘う。つまり、レアルの選手に俺は誰をマークすべきかと迷わせることができれば勝ち。

 ここで注目なのが、バルサのシステム変化とレアルの守備での柔軟なマークの受け渡し。ここで成功すれば、バルサは一気に試合を自分たちの流れに引っ張っていける。で、レアルはここが一番怪しい。キーマンはシャビとイニエスタとブスケツのポジショニング。特にブスケツの位置には超注目。

 そして、後半も含めて、レアルが押し込まれるようになると、メッシへの対応でレアルのCBに注目。そして、バルサはサイドを有効に利用して攻撃ができるか。また、最近のバルサは攻守の切り替えが遅いので、レアルはカウンターを仕掛ける時間を得ることになる。その時間を有効に利用して、クリロナやディマリアが働けるか。

 ──3-4-3のときに相手のSHの守備がぼやけるとか言っていましたが、あれはどうしたらいいのでしょう。

 中央に絞るか、相手のCBに突撃。バレンシアはその判断が優れていたので、バルサの攻撃をうまく寸断することができていました。これはバルサが3-4-3してきたときの、クリロナたちの振る舞い方に注目ですね。

 ■独り言

 今季のレアルの団結力は昨年のクラシコがきっかけだと睨んでいるので、この試合は実は超重要である。ここで、レアルが内容も含めて完璧にやられてしまうと、さすがに精神的なダメージが大きいのではないかと。ただ、バルサもバルサで、勝っているチームをいじるなの法則をガン無視しているわけである。それで勝てなければ、こちらも精神的にくるだろうなと。

 勝ち点差6が見えにくくしていることもあるけれど、今季を占う試合になると思う。結果も内容も重要。CLでまた再開しそうだしね。