今週末にJリーグは最終節を迎える。優勝争いは3チームが勝ち点2差の中にひしめく混戦模様で、最後まで目が離せないおもしろい展開となっているね。個人的には、現在首位に立っている柏がそのままいくのではないかと思っている。真っ赤に染まったアウェー戦、勝てば優勝というプレッシャーに押しつぶされる、というのもありえるが、今の柏はそれほどやわではないと思うね。

興味深い最終節である一方、今シーズンの順位表はまさにJリーグの現状をよく表している。すなわち、団子状態だ。柏が昇格チームながら優勝争いをしているのも、奇跡でもなんでもなく、そうなる可能性は十分に考えられた。

ある程度お金のあるクラブで、助っ人外国人が当たれば、すぐに上位になることができるんだ。助っ人の比重の大きさは、優勝争いしている上位3チームから日本代表選手がG大阪の遠藤くらい、ということからもわかるだろう。

親会社にお金がない、あるいは大口のスポンサーがつかないクラブでも、「良いサッカー」でJ2から上がってくることはある。しかしその後が大変だ。今シーズン、山形は残念ながら降格してしまったけど、お金のあるFC東京と違って、山形のようなクラブが再びJ1に上がるのはとても難しい。

残念な話ではあるが、これは事実だ。親会社やスポンサーが及ぼす影響は非常に大きい。特に、地域密着の理念がなかなか根付かず、企業スポーツ色の強いJリーグはそれが顕著になる。

そういう意味で、一つ契機となるかもしれないのが、新スタジアム構想だ。G大阪が大阪の吹田市に建設しようとしており、京都でもそういう動きがある。ただし、忘れてはいけないのは、そのビジョンだ。そこに意味はあるのか。

お客さんはスタジアムを観にくるわけではないのだから、それに伴うスター選手や愛されるクラブというものが必要だ。2002年W杯を機に作った巨大なスタジアムが、今どうなっているか。そうしたこともよく踏まえて、進んでいく必要があるだろうね。間もなく20歳を迎えるJリーグがどんな進路を取っていくのか、注目したいね。