ロシアプレミアリーグ第22節 スパルタク・モスクワ vs CSKAモスクワ 試合の感想です。



仮にもモスクワダービーであり、上位対決でもある一戦。そして何よりまたCSKAモスクワの方針が変更。既にCSKAモスクワに取材に行っていたライターの方がTwitterでつぶやいてはいたのですが、本田圭佑をボランチの位置に戻して、前線にアラン・ザゴエフ、ゾラン・トシッチを起用する形に戻してきました。


この結果どうなるのかは見なくてもわかるような気はしましたが、本当に予想した通りの事になりました。

攻撃的なポジショニングをする本田圭佑



本田圭佑はとりあえず高めな位置にポジショニングしてました。高い位置でのプレスは時折効果を発揮し、さすが二その辺りのプレイは上手いなと感心したものですがそれだけでした。


とりあえず今日の試合ではゾラン・トシッチが前目にいて、本田圭佑は2.5列目辺りでのプレイと言う事になりました。その結果CSKAモスクワにわかりやすい変化が起きました。

連携が無くなった



ロシアリーグは個人技を重んじるサッカーであり、一対一を仕掛けるのが基本。まずはボールを持ったら相手が二人いようが三人いようがドリブル突破を仕掛ける。失敗しても関係ない、何度でも同じ事を繰り返さなくてはいけない。


ましてはバックパスをして作りなおすなんて必要もなく、失敗しても自分で後ろに下がってリスタートすれば良い。


それがCSKAのサッカーです。振出しに戻りました。


1〜2列目にボールが入ればそのような動きをするだけです。パスを出すのはアラン・ザゴエフだけになってしまいましたから、まぁ当然前線にボールが渡ればどうあんるかと言うと、ただ個人技で突破仕掛けるのみですよね。


後ろから上がってくる選手もいません、だってパス出ないもん。パス来ないってわかってるから押し上げてくれませんよね。


前線は前線で好きにサッカーやるだけ、裏を狙う?いやいや、足元でボールをもらって全員抜いてゴール決めれば良いじゃん(笑)とでも言わんばかりのクソサッカー。


流石に途中から呆れてきてしまいました。

大黒柱イゴール・アキンフェエフの負傷退場



イゴール・アキンフェエフがPA外のボールに対して外に出てヘディングでクリアした際、アフターでスパルタク・モスクワの選手が突っ込んで来て空中でバランスを崩して着地。


その際に左足を変に地面につけてしまい、左足の膝を痛めてしまいました。


これで負傷交代と言う事になってしまい。CSKAは大黒柱を失ってしまった……これが後々響いてくる事になります。

ロスタイムでの先制弾



CSKAモスクワが圧倒的に攻めながらも小学生サッカーで全てを無駄にしているのをよそに、スパルタクが前半終盤の攻撃で先制点を奪取。


前線でボールを持った際、どっかの小学生と違ってスローダウンしてPA前でタメを作り、左サイドから追い越してきた選手にスルーパス。トップスピードに乗っていた選手が容易にDFラインの裏を取って抜けだしてGKと一対一へ。


サッカーの基本中の基本ですがCSKAモスクワの攻撃陣には高度すぎるらしく出来ないプレイ。


GKとの一対一はGKが止めてくれたんですが、その際にボールを外に弾き出せずに中に残してしまいました。そのボールをヘディングで押し込まれて失点。


何の事はない、連携を使えばどれだけ優れた守備陣も一瞬で無力にする事が出来ると言うわかりやすいプレイでスパルタク・モスクワが先制して前半を終了しました。素晴らしいですね。

本田圭佑は前半のみ



本田圭佑は前半からほとんどパスをもらう事も出来なかった。自分で手を広げて「ここにパスをくれ」と主張をしていたんですがソレも完全にスルー。


嫌われているとは言いませんが、チームが本田がどういう時にパスを欲しがるのかあまり理解していないし、本田圭佑もチームがどのような所にパスを繋げたいと思っているのかわかってない気がする。


要するに両方良くなかったって事。


結局中盤でパスを殆どもらえない選手が一人居た事で、無駄が出来ていたと俺も思った。そこで本田圭佑に代えてパヴェル・ママエフを投入。


ただあれだけ停滞している前線を弄る事なく、本田圭佑を下げるって事にイラっとしたし、正直絶望した。

ラッキーな同点ゴール



CKからのこぼれ球が本当にゴチャゴチャしてこぼれたボールに反応したドゥンビア・セイドゥが蹴り込んでゴール!本当に戦術もへったくれもなく、たまたまと言う言葉がぴったりなラッキーゴールでCSKAモスクワが同点に追いつきました。


こうやって結果だけ出せるのは素晴らしいと思う反面、だからこそこのまま改善される事はないだろうなと、改めて確信する事になるゴールでした。素晴らしいとは思いますが、嬉しくはありません。

ゾラン・トシッチの逆転ゴールと負傷



前線でボールを持ったゾラン・トシッチが近くにいたドゥンビア・セイドゥにショートパス&ゴー。ドゥンビアがダイレクトでリターンしてとしっちが裏抜けに成功。GKが飛び出すもそれより先に蹴り込んでゴール!素晴らしい逆転ゴールを挙げる。


本当に本田圭佑なんて奴はこのチームには要らないんだろうなと思いつつ、ゾラン・トシッチが喜びを現すシーンを見ていたんですが…。


その後、気がついたらトシッチの頭に包帯が巻かれていた。どうして負傷したのか全然わからなかったんですが、どうやらベンチの方に向かってトシッチが喜んでいた時に、後ろからコーチだったか選手だったかが飛びついたシーンで頭を裂傷したようで…額辺りから血が出ていました。


しかも結構酷かったらしく、その負傷の影響でセク・オリセーと交代する事になると言う下らないアクシテントに…一体何をしているのか…。

プレスの甘さからの同点ゴール



スパルタクの選手がPA外でボールを持った時点でアホな事にプレスにいかず、しかもコースを開けてしまっていたのでそこから弾丸ミドル、しかも強烈に落ちるボールでGKも触れずそのまま豪快にゴール。


ボールの奪われ方も悪かったし最悪の形で失点する事になった。


この一点を最後に結局ドローでモスクワダービーは終わりました。

本田圭佑の交代について



実は先日から練習ではずっと4-4-2のボランチの位置に入っていた事は現地からの情報で知っていました。そして練習中には本田圭佑がゴールを挙げるシーンもあったそうな。


だから今日のボランチ起用には驚かなかったんですが、驚いた事はパスが全然来なかった事です。


以前もあったんですが「嫌われてるのか?」と思う程に本田圭佑が要求してもパスが来ない。明らかにセーフティな所でもパスがもらえず、結局殆ど本田圭佑はまともにパスをもらえずに交代しています。


もし本田圭佑のポジショニングに問題があれば練習時に露呈しているはずだし、それならいくらスルツキでも「こりゃダメだな」と本田圭佑を再びボランチで使っていないはずです。


何か揉めたりしてパスが来なかったのか、よほどポジショニングが気に入らないのか……。勿論それが影響していてチームが機能していなかったのもわかってました。


で、本田圭佑が交代してからチームが機能していたのも事実なんですよね。そうなるとじゃあ要らないのか?って話になるわけです。


今季チーム内で2位のゴール数を誇る選手を何故か攻撃的な位置ではなく、一列下げて起用する神采配も「はい?」と思う所ですし、上手く行っていた戦術を再び全て捨てたのも、UEFAチャンピオンズリーグを前に「今更ジタバタするのか」と思ってしまいます。


結局パスサッカーを辞めて個人技のみのオラオラサッカーに戻すと言うわけなんで…まぁそれなら本田圭佑は前線に要りませんね。俊敏性が高いわけじゃないんで。

気になった本田圭佑の行動



気になったのは、現地にいる人が「本田が前半ロスタイムの失点時、膝に手を置いて下を向いてました。珍しい事です」と言っていた事。


それだけの自分への失望が当人にもあったのか、チームへの失望か。


それとも最後の試合で何も出来なかった葛藤か


でも冷静に考えれば考える程、移籍期限まであと2日なのにこれからメディカルチェックして〜って時間があるとは思えない。更にすぐに代表戦も控えてる。


これから突然移籍が成立するとは全く思えないので…となるとチームや自分への葛藤と言うか、苛立ちの問題なのか…


何にせよボランチとしての本田圭佑はもう要らないなと、改めて思った試合でした。このチームでは少なくとも機能しないと思う。


だってパスこねーもん


本当に今日の試合は…うーん…あんまり語る気にもならないレベルです。前半だけで交代する事があまりなかったので…まさか移籍フラグか?とも思いますが、その場合逆に使わないでしょうしね。


って事は純粋に戦術的交代なわけで、これだけ何も出来ずにボランチでは無理と判断され、更にザゴエフやトシッチが攻撃的MFとして有効だと判断されてるなら、本当にCSKAに居場所ないやんけと。


何よりも信じられない事が一つあるんですが…。


今季チーム2位のゴール数を叩き出してる男への扱いがこれです


いくらなんでもブレ過ぎだろスルツキ…何故いきなりポジションを下げてしかも前半のみで交代やねん…またパスサッカー捨てるのか、何回繰り返すんだ。



でろマガ サッカーコラム

Vol.54

「チームの基盤がしっかりしないチームは弱い」

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