右投手が打てない!|イチローに何が起こっているか?1

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昨日のシカゴ・ホワイトソックス戦で1安打したイチローだが、やはり本調子ではないと感じられる。バットスイングに生彩がない。何か数字で現れていないか、3回にわたって調べて見ることにした。

常套的な調べではあるが、左右投手別の打率。年度別で見てみる。

左打者のイチローが、今季は右投手に苦戦している。左投手は3割を打っているのだが、打数が倍も多い右投手から.246。これが不振の原因だという見方もできよう。

イチローは、もともと左投手を全く苦にしない打者である。通算でも左投手の方が少し打率が良い。これは驚異的なことだ。しかし、右投手が苦手だったわけではない。コンスタントに打ってきた。

それが今季、急落したのである。

さらに子細に調べると、2007年を転機としてイチローは、右投手からより多くの本塁打を打ってきた。右投手のときの方が、思い切ってバットを振っていたということだろう。それが今季はゼロ。それだけバットが振れていないと言うことだろうか。

投手個々との対戦で見ると、今季は昨年まで得意としていた投手から安打が打てていないケースが散見される。昨年まで3割以上打っていた投手で、今季まだ安打が出ていないケース(2回以上対戦)

まだ、対戦数が少ないのではっきりしたことは言えないが、カモにしていた投手が打てなくなっているのは確かなようだ。

さらに一つ。イチローは初対戦や対戦数が少ない投手との対戦で、高打率を上げてきた(インターリーグの通算打率は.336)。それが、今季初対戦の投手との対戦成績は47打数11安打の.234(右投手.235、左投手.231と大差はない)、予測不可能な相手に対し即応できていないといことか。

こうした異変が一時的なものなのか、加齢などからくる衰えなのかはわからない。ただ、不振が長期化しているのが気がかりだ。以下、次回。