――こうしてお会いしてみて、話し声は歌声とはまた違った印象を受けていますが、自分の歌声について、どのような印象をもっていますか?

miwa:歌を歌う仕事なのに変なんですけど、ハイトーンの部分がちょっと幼かったり、最初はあまり自分の声が好きじゃなくて。喋っている声とかも、テレビで最初に観た時にすごく嫌で、恥ずかしくて。今でもテレビの自分に向かって「喋らないで欲しい!」って思うぐらい。でも、色んな所で、逆にその声が目立つというか、「個性だからいいんじゃない?」と人に言ってもらうことによって、やっと認められたというか。最近、慣れてきたみたいな所がありますね(笑)。

――歌を始めてから今までの間に、自分の歌声が変わったと感じますか?

miwa:もうデビューシングルと今の「オトシモノ」を比べても結構違うんですけど、ローの低い部分が出るようになってきてるし、逆にハイのキンキンしてる部分が減ってきてるなと。子供の声から、女の子だけど若干声変わりしてるんじゃないかなって感じてます。

――miwaさんは現在20歳ですが、歌詞には実体験をリアルに書くのか、テーマを元に想像を膨らませて書くのか、どのようなケースがありますか?

miwa:曲によって毎回書き方が違って、試行錯誤して書いてるんですけど。実体験がすごく色濃く出ている曲もあれば、想像の世界とか、自分の分身的なキャラクターに例えて書いた「リトルガール」みたいな曲もあるし、それぞれですね。

――今回の「オトシモノ」は、ドラマ『獣医ドリトル』の挿入歌にもなっていましたが、ドラマのお話があって、ストーリーを意識しつつ膨らませていったのですか?

miwa:そういう部分もあるし、元々この「オトシモノ」という曲があって、すごく共感して頂いて。テーマはあったんですけど、改めて歌詞をブラッシュアップした部分もあって。「失くしたものの大切さを とりもどしたい」という想いと、『獣医ドリトル』の「命を諦めたくない」という想いをリンクして。デビューして、ここまでやって来て、楽しいことだけじゃなくて、頑張ってもそれがすぐには報われない時もあれば、人に認めてもらえないことも結構あって。自分を見失って、思いやりが持てなくなったり、会えなくなって離れていく人達もいて。そういう気持ちをもう一回取り戻さなきゃ、という自分自身もいて、そういう中で書いた曲ですね。

――3曲目にはデビューシングル「don’t cry anymore」のpiano versionが収録されていますが、これは録り直したんですか?

miwa:今回録ったんですよ。今年の締めくくりというか、一番最後になる曲で、デビューしてからちょっとでも変わった成長を感じてもらえたらなという想いで入れようと思ったんです。ピアノを弾いて頂いた武部聡志さんは『僕らの音楽』とか『ミュージックフェア』とか平安神宮でのライブとか、結構コンスタントにお会いすることが出来て。「don’t cry anymore」もその度に弾いて頂いていて。武部さんの弾く「don’t cry anymore」がすごく好きだなと思っていて。ちょうど槇原敬之さんのトリビュート「We Love Mackey」(2011年1月12日発売)を作っている時に「弾いて頂けないですかね?」みたいなお話をしたら、「全然いいよ」と言って頂けて。スタジオで「せーの!」で録ることが出来たんです。