キム・ヨナとオーサーの攻防戦、国民の40%がヨナに同情

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「裏切られたキム・ヨナ」「涙ポロポロ、ヨナ『もうやめて』」

これは韓国メディアが報じている記事のタイトル。24日に決別が明らかになってからというもの、韓国では泥沼の展開に発展しつつあるキム・ヨナとオーサーコーチの決別に、注目が集まっている。

オーサー氏は、キム・ヨナのマネージメント会社でありキム・ヨナの母親が代表を務めるオール・ザット・スポーツ(ATスポーツ)側から、一方的に解雇を告げられたとしている。だが、ATスポーツはこれに反発し、解雇となったのは、オーサー氏がほかの選手からのコーチオファーを受けたことで関係が悪化したことや、これによりキム・ヨナの指導を十分行わなかったことが原因であり、解雇は同意の上だったとしている。

キム・ヨナも母親と同じ立場のようで、オーサー氏の発言を非難。25日には自身のツイッターに「Would you please stop to tell a lie, B?」(ウソはやめてください。B?)と書き込んでいる。Bはブライアン・オーサー(Brian Orser)のBだ。

だが、これらの主張にオーサー氏はさらに反論。「時給110ドルで働かされた」「解雇の過程でさまざまな侮辱を受けた」「来シーズンの計画についてキム・ヨナ側は相談もしてこなかった」「今シーズンのグランプリ不参加も、メディアを通して知った」「ヨナが7月に韓国にいた時、いつトロントに戻るんだ?とメールで聞いたが返信すらなかった」などと不満炸裂。勢い余ったのか、来年の世界選手権大会で公開する新プログラムについても暴露してしまっている。

この泥沼化している決別について、韓国国民はどうみているのだろうか?
韓国の世論調査機関「リアルメーター」の調査(26日実施。19歳以上の男女700人対象)によると、キム・ヨナ選手に共感する」が41.7%、「ブライアン・オーサーコーチに共感する」が15.3%、「よく分からない」が43.0%という結果になったという。

やはり国民的ヒーローなだけに、キム・ヨナ支持者がオーサー支持者より2倍近く上回っている。メディアの「裏切られたキム・ヨナ」「涙ポロポロ、ヨナ『もうやめて』」といったタイトルからも分かるように、オーサー氏はキム・ヨナを悲しませる裏切り者といった存在になってしまっているようだ。しかし、意外と多いのが「よく分からない」派。状況が複雑なだけに、もう少し様子を見ようと思っているのかもしれない。

ATスポーツ側が解雇にいたった原因のひとつとして挙げる「ほかの選手からのコーチ就任オファー」について、韓国では「ほかの選手」とは浅田真央選手のことだとする見方が多い。だが、仮にそれが浅田選手だったとしても、双方がここまでこじれたのは、それだけの問題ではなさそうに思える。力を合わせて五輪で頂点にまで立ったのに、こんな状態で別れることになるとは…。なんとか円満に運べなかったのだろうか。


参照:裏切られたキム・ヨナ…オーサー5月にIMGと再契約…日本のジュニアチームも引き受ける - 文化日報
参照:涙ポロポロ、ヨナ『もうやめて』 - ソウル新聞
参照:キム・ヨナ共感41.7% vsオーサー共感15.3% - Cニュース


(文:林由美)

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