韓国の食品医薬品安全庁は20日、軍部隊に納入されたキムチからネズミの死骸(しがい)の一部が混入していたとの報告を受け、キムチを生産した食品業者を調査。生産過程で混入したとの検証結果を発表した。韓国メディアが続々と報じている。

 食品医薬品安全庁によると、慶尚北道の北西部にある軍部隊で10日、昼食中にキムチの中から5.5センチメートルほどに切断されたネズミの胴体の一部が見つかった。このキムチは「ドウォン総合食品」(同道安東)が軍部隊用に生産しているもので、問題のキムチと同じ日に生産・納品された240キログラム分が直ちに廃棄された。軍納キムチから異物が発見されたのは、今回が初めてだという。

 韓国メディアによると食品医薬品安全庁は、生産業者のキムチ生産工場にネズミを放し、事故を検証するための実験を実施。すると、ネズミは白菜の裁断過程で侵入し、白菜と共に切断され、そのまま梱包された。異物を選別する行程はなかったという。製造加工室の出入口には密閉設備がなく、製造施設の一部が外部に露出しているなど、管理がずさんだったとみられる。

 食品医薬品安全庁は同業者に対し、製造停止などの行政処分を行った。同業者は、一般の消費者には販売していないが、韓国の食卓には欠かせないキムチの事件に、韓国国内では驚きと不安が広がっている。

 韓国では食品の異物混入事故が後を絶たず、2010年1月から6月の間だけでも307件確認されている。5月には食品からネズミの死骸や、鉄パイプの破片とみられる異物が発見される事故などがあった。(編集担当:新川悠)



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