7月8日に発生した韓国人の男(47)によるベトナム人妻(20)殺害事件が、外交問題にまで発展した。韓国の外交省長官はベトナム大使に慰謝料を手渡すなど、事件への対応を進めているが、事件が与えた衝撃は当分収まりそうもない。

 殺害されたベトナム人女性は、国際結婚仲介業者の紹介で韓国人の男と結婚。7月1日から韓国・釜山市で新たな生活をスタートさせたが、夫が振り回した凶器に刺され命を落とした。入国して8日目の出来事であった。ベトナム現地メディアは事件を大々的に報じており、韓国人男性との国際結婚に反対する動きが起きるなど、事態は深刻な雰囲気になりつつある。

 このような中、韓国の外交通商省は14日、アン・ソンドゥ南アジア太平洋両国審議官を釜山に送り、遺族を慰問。16日にはユ・ミョンファン外交通商部長官が、トゥラン・トゥロン・トゥアン在韓国ベトナム大使をソウルの外交省庁舎に呼び、慰謝料を手渡した。さらにメン・ヒョンギュ行政安全省長官も同日、ベトナム大使館に寄付を行い、政府レベルでの対策を約束した。

 こうした韓国政府の動きについて、韓国メディアは「ベトナム現地で高まりつつある韓国を嫌悪する感情や、両国の外交関係に中長期的に否定的な影響を及ぼす可能性を憂慮(ゆうりょ)した措置」と分析した。(編集担当:新川悠)



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