欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ会長は、海外からの資金流入が続くプレミアリーグについて、「一部のクラブが利益を得る構造になっている」と批判。さらに、ユーロ2008本大会の出場を逃したイングランド代表の強化にも大きな影響を与えていると語った。

 チャンピオンズ・リーグの決勝戦で、マンチェスター・ユナイテッドとチェルシーが対戦するなど、プレミアリーグ勢の強さが際立った今シーズン。しかしプラティニは、外国人投資家の興味をひき続けるプレミアリーグの繁栄が、イングランド代表チームの強化に悪影響を与えているとコメント。UEFA会長として何らかの処置を考えると明言している。

「イングランド代表がユーロ2008に出場できないことが残念だとは思わない。予選で敗退したのは、彼ら自身に問題があるからだ。クラブレベルと代表レベルのフットボールは別物だ。イタリアとドイツを除けば、過去2回のワールドカップで決勝戦を戦ったチームは、海外で活躍する選手が多いチームだ。私は外国人投資家がクラブを買収することに疑問を感じている。どうして、アメリカ人がクラブを買う必要がある? 金儲けの手段以外の理由はないはずだ。こうしたクラブにとって、タイトルを獲得するより、借金を返すことが重要になっている。チェルシーやマンUを見れば明らかだ。FIFAとUEFAはこの状況を重く捉えている。『チャンピオンズ・リーグのタイトルが金で買えるのか?』と聞かれたら、ノーとは言えないのが現状だからだ」

 海外からの資金流入により、世界各国のスタープレイヤーが集まる現在のプレミアリーグ。今や世界一のリーグとも言われているが、その反面で優勝を争うチームが毎シーズン限られている状況もある。「他のクラブを救う手段を考えないと」と語るプラティニは、大きな繁栄を遂げているプレミアの在り方に今後も警鐘を鳴らし続けるつもりのようだ。