イングランド8部リーグを戦っている「マンチェスター・ユナイテッド」をご存知だろうか。

 誤解を与えないよう正確に言うなら、2005年6月14日に創設されたそのクラブの正式名称は「FCユナイテッド・オブ・マンチェスター」。アメリカ人ボス、グレイザーと止まることを知らないクラブの商業化路線に反旗を翻した、生粋の“オリジナル”マンチェスター・Uのサポーターの一団が興したクラブだ。

“真のユナイテッドは、われわれが作る”。
 この新しいクラブ創設のために、地元の4000人が年間費用10ポンドを払った。「ユナイテッド」であることの誇りを胸に、ポリシーとしてユニフォームにスポンサーネームは入れない。だが、これはまぎれもなくマンチェスター・Uの“異母兄弟”クラブであり、もちろんクラブカラーは赤だ。
 世界戦略もマーチャンダイジングも拒否した2000人以上が毎試合かけつける。彼らの次なる目標は、小さくても自前のスタジアムを建設すること。収容人数は最大でも1万人。そこが慎ましくていい。