ヒルマン監督に、日本で批判続出―。カンサスシティの地元紙「カンサスシティ・スター」紙の電子版は31日付けで、来季からロイヤルズの新監督に就任したテリー・ヒルマン現日本ハム監督が、日本で批判の矢面に立っていると報じた。日本シリーズの取材で日本を訪れている記者が、「ヒルマンは、叩かれている。コラムニストやラジオのアナウンサーは、激怒している。なぜ、日本シリーズ直前に、一時帰国など出来るのか。発表を遅らせることはできなかったのか、と。ヒルマンは日本で5年間監督を務め、ファイターズを1960年代以後初の日本シリーズに導いた。日本の文化を理解して、人々から愛された。しかしながら、人々がそれが本当の姿だったのかどうか、疑問に思い始めるのは、いかに早いことだろう」と、シーズン終焉を待たずに明るみになったロイヤルズ監督就任の話が、日本のファンの心を逆撫でしていると報じている。

 同紙の中で、ヒルマン監督は「日本はとても繊細だ。概念が大事なんだ。『オレは2つのことを同時にやれる。ファイターズにも全力を尽くし、ロイヤルズのことも考えることができる』、と言ったって、十分ではない。人々が、ヒルマンはロイヤルズのことを考えている、という概念を持てば、もうファイターズのことは何にも考えてないのと同じなんだ」と、日本人の心情を米国記者に説明している。
 ヒルマン監督は、日本人の反感に対して慎重になっており、「日本時代を振り返ってどう思うか」という質問に対しても「まだ日本時代は終わっていない」と答えを拒否し、米国からきたロイヤルズ番記者に、ロイヤルズについて話すことも、拒否している。
 仁義を尊重したい同監督は、勝っても、負けても、シリーズ後にもう1度、日本に戻る予定で、たとえ、それが、家族と過ごすサンクスギビング・デーの週末の休暇を1日減らすことになったとしても、パレードに参加し、ファン感謝際に臨み、義理を果たすと同紙。最後は「今季のファイターズは、日本シリーズで苦戦。攻撃面でやられているが、日本では『ヒルマンの心は、もうカンサスシティにある』と言う風に理解されているようだ」と締めくくっている。