イングランド代表FWピーター・クラウチが、今シーズン中にリバプールを退団する可能性が高くなった。

 今夏の移籍マーケットで大型補強を敢行したリバプール。中でも、スペイン代表のフェルナンド・トーレスやウクライナ代表のアンドレイ・ヴォロニンを獲得した攻撃陣の陣容は大きく様変わりした。その結果、クラウチは、ディルク・カイトと新加入のトーレスとヴォロニンに次ぐ、4番手のFWに格下げ。プレミアリーグでは、4試合中3試合でベンチ入りメンバーからも外されている。

 そんな状況に、クラウチも移籍先を模索する動きを見せはじめた。マンチェスター・シティやユベントスが獲得に興味を示すと言われるこの長身FWは、クラブ側から提示された3年間の契約延長のオファーに応じる構えを見せておらず、1月の移籍マーケットで新天地を求める考えのようだ。

 新シーズンに入り、ベンチ要員にすら選ばれない苦境に追い込まれたクラウチ。現状のままではイングランド代表への影響も懸念されるだけに、リバプール退団を決断する可能性は高い。しかし、指揮官のラファエル・ベニテス監督は、クラウチを貴重な戦力として評価しており、簡単に退団を認めるつもりはない様子。一方のクラウチも、今月末に発売予定の自伝で、ベニテス監督に対する賞賛の言葉を書き連ねるなど、2人の信頼関係はいまだ崩れていない様子。イングランド屈指の名門クラブでもがくクラウチは、キャリアの大きな岐路に立たされている。