「当て逃げ」動画で大騒動 本人解雇、勤務先も謝罪
車の「当て逃げ」の映像がユーチューブ上に公開され、インターネット上の掲示板「2ちゃんねる」で大騒動になっている。さらに、映像に映っていたナンバーの車両を所持している人物がSNS「ミクシィ(mixi)」でその車を「公開」していたことが発覚。この人物が解雇され、務めていた会社が謝罪、HPが閉鎖する事態にまで発展した。
警察に取り合ってもらえず、ブログで公開
問題になっている映像は、車載カメラで夜間の道路を走行している様子を映したもの。一台の白い自動車が被害者の自動車を背後から煽りはじめ、側面に「どん」と体当たりした挙句、逃走するというものだ。
被害者側のブログ(現在では閉鎖)によると、被害者側が警察に届けた際に、警察側に「きっとあなたが相手の気に触る様な運転したからでしょ。じゃなきゃ相手もこんなことしないでしょ普通?」などと言われ、当初、全く警察に取り合ってもらえなかったことから、ブログで映像を公開するに至ったという。
「当て逃げ」の一部始終を収めた映像は、動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」にアップされ50万近い閲覧数(07年6月18日現在)を記録するなど、ネット上で大きな反響を呼び始めた。
さらに「当て逃げ車両」の所有者と見られる人物が、当て逃げ車両のナンバーと同一の車両の写真をミクシィに掲載。そこから「当て逃げ車両」の所有者の勤務先や、妻のアカウントなどが特定された。
さらに、所有者の勤務先が、車の修理や構造変更などを行う会社だったことから、「当て逃げをしておいて自分の会社で修理したのでは」といった憶測を呼び、2ちゃんねるでは07年6月18日時点で、スレッドが50本近く立てられ、大規模な「祭り」状態にまで発展。「当て逃げ犯」とされる人の住所、勤務先の連絡先などの個人情報が書き込まれ、この人物やその妻の写真、自宅や問題の車両の車検証を撮影した写真をアップする者まで現れた。
まさに、ミクシィ、ユーチューブ、2ちゃんねるという3大コンテンツをまたぐネット上の大騒動となったが、この話はどうやらネット上だけの話では済まされなかった。
車の所有者を懲戒免職処分
当て逃げ車両の所有者が勤務していた会社(埼玉県)は07年6月15日に謝罪文を掲載。同社には、2ちゃんねるなどを通じて、多数の抗議の電話などが寄せられた模様で、謝罪文には「よくある質問」の一問一答まで付け加えられている。
同社は、警察が捜査を行っている間は同社のホームページを一時閉鎖すると発表。同時に、これまでの経緯などを説明した。
「車両はその当時、あるミーティングで知り合いとなった方の車両メンテナンスのため、不特定者に貸し出しており、当事者が運転をしていたのではないと(警察に)説明したそうです」
難解な説明で、「車所有者」がだれかに車を貸した可能性があるため、「当て逃げ犯」と「車所有者」が同一かは判明していないということらしい。
しかし、その一方で
「当事者につきましては、現在の段階では本件加害者として断定はできておりません。しかし、本件の車両所有者である事は事実であり、現段階ではむやみに他人に車両を貸し出した事実、そしてその車両で本件を招いたことについては重大な責任があると判断いたしました。そこで、当事者には被害者の方を始め、多くの関係者の方々へ御迷惑をおかけした事態を真摯に受け止めて頂き、弊社として当事者に対して、平成19年6月14日(木曜日)をもって懲戒免職処分と致しました」
と、この所有者に対する正式な処分まで発表している。
この車修理会社はJ-CASTニュースに対し、
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。実は、現在警察によって調査しており、それに協力している最中なので取材にはお答えできません」
と述べ、恐縮した様子だった。