第3打席で今季2号本塁打を放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

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休養日に女子フィギュアスケート選手・本田真凜と遭遇し…「握手いいですか?」

エンゼルス 6-3 ロイヤルズ(日本時間19日・アナハイム)

 エンゼルス大谷翔平投手が18日(日本時間19日)、本拠地のロイヤルズ戦で「3番・指名打者」で5試合連続フル出場。6回の第3打席で4試合ぶり一発となる2号2ランを放った。本拠地での本塁打は復帰後初。昨年9月26日(同27日)のレンジャーズ戦以来234日ぶりだ。チームは6-3で快勝。2連勝を飾り、借金1とした。

 ド派手なムーンショットだった。大谷のアナハイムの夜空に高々と舞った白球は、ゆっくりと右翼席へ吸い込まれた。今季2号は234日ぶりの本拠地弾。地元ファンは大熱狂だった。

「いいものですね。盛り上がりも素晴らしいなと思いますし、打つことによって球場全体の雰囲気がよくなるので、より勝つ確率が高くなる。高く上がりましたけど、打った瞬間に行くんじゃないかなと思いました」

 打球速度111マイル(約178.7キロ)、最高到達点152フィート(約46.3メートル)、飛距離393フィート(約120メートル)。一際大きな放物線だった。

 抜群の修正力を発揮した。2点リードの6回1死一塁。ジュニスの初球、内角への146.7キロの直球に対し、両腕をたたんで捉えて4試合ぶりの2号2ランとした。3回2死の第2打席ではジュニスの内角、148.3キロ直球に中飛。「しっかり反応できる準備が出来ていれば十分対応できる。タイミングだけ」と修正し、同じコース、同じ球種を完璧に打ち崩した。右越えへの一発は「らしくない」というものの、確固たる自信を持っている。

「ライト方向へは角度さえ付けば、ある程度当てただけでも入ると思っている。そこまで練習するところではないです。打つというよりもボールにちゃんと(バットが)当たっているだけのこと。特に力む必要なく行くことが大事」

 当てただけで右越え弾――。こんな感覚を持っているのは大谷ぐらいかもしれない。

メジャー通算24本塁打のうち16発が本拠地「打撃練習から一番多く打っている場所。普段通り入れる」

 氷上の妖精の“ゲキ”にも応えた。休養日となった16日。本拠地・アナハイム近郊のショッピングモールへ買い物に出かけた。193センチの自身より30センチほど小さい女性が憧れの眼差しで近づいてくる。女子フィギュアスケートの16年世界ジュニア選手権女王、本田真凜だった。

「大谷選手ですよね? 握手いいですか?」。日本を代表するアスリート2人だが、これが初対面。わずか数秒の出来事だったが、7歳年下の女性アスリートから“激励”された。二刀流は20年シーズンまでお預けで、打者一本。それでも周囲の期待は分かっている。

「徐々に良くなってきていると思います。もちろん100%ではないですけど、それに近づきつつある」。この日のフリー打撃では43スイングで術後最多19本の柵越えと打球も上がってきた。全開宣言はもうすぐそこだ。

 メジャー通算24本塁打。そのうち16本塁打は本拠地アナハイムと“庭”としている。

「打撃練習から一番多く打っている場所なので。打席の景色からいつも通り、普段通り入れる」

 自身の出場した試合は7勝3敗と圧倒的な勝率を誇る。地元ファン、本田真凜の応援を背に受け、これからも豪快なアーチをかっ飛ばしていく。(小谷真弥 / Masaya Kotani)