ペットを飼う人にとって、ペットの死ほど悲しく苦しいことはないだろう。ヤフー知恵袋に寄せられた「亡くなったはずの猫がご飯を食べに来ます」という投稿がネット上で話題だ。2015年のものだが、はてなブックマークでは7月24日頃から「ベストアンサーの回答が優しい」と注目を集めている。

相談者の飼い猫は交通事故で亡くなった。寂しさから猫が出入り口にしていたお風呂の窓を開け、キャットフードなどを置いていた。すると何度かお椀が空になっていたというのだ。

野良猫の仕業かと疑ったが、「どうもそうではなさそうです。(略)猫が自分の死に気付かず普段通り生活しているという事でいいのでしょうか…?」。相談者は嬉しい反面、「ちゃんと供養してあげたい」といい、どのように猫に死んでしまったことを伝えればいいのかと問いかけている。

「ご飯を与えず、いないつもりで接して自然と理解させるべきなのでしょうか。どうも、そのやり方だと猫を一人ぼっちにさせてしまっているようでとても心苦しいです。もう少し優しい方法が欲しいのですが、一番はあの子がちゃんと天に旅立つ事です」

回答者も猫を亡くしてしばらくは鈴の音が聞こえた

これに対して回答者は、まず「ご自身が猫の死を受け入れきれていないように思えて心配」と述べた上で、「死後もご飯を食べにくる、というのはなんとなくわかります」と同意した。

回答者の猫が老衰で亡くなった時、水飲み皿を片さずに置いていたら、台所から鈴と皿がぶつかる音が聞こえていたという。お風呂に入っている時も回答者を待つ鈴の音が聞こえ、「ああ、まだいるんだ」と思ったが、皿を処分する頃には聞こえなくなった。

「と、いうか(音がしても)意識しないことにしました。私が落ち込んでいたり寂しがっていたりすると、いつまでもちゃんと旅立てないのではと思ったからです。死の間際も思わず『やだよお、頑張ってよお』と泣き出したら、横になっていた猫が立ち上がろうとしたからです。慌て『ごめんね頑張らないで良いよ』と言ったらまたぺしゃんと伏せました」

「『あなたがいなくてもちゃんとやれている』という姿を見せれば猫も安心するのでは」

昔から飼い主を気遣う猫だったからこそ「私がちゃんとしないとダメ!」と思ったという。そのため「質問者様の猫も、毎日ご飯を用意してくれてるから『食べないと。残すと心配する。残したら落ち込む』と思っているのかも知れません」と述べ、

「まずはきちんと質問者様がけじめをつけて、御飯もださない、夜もお風呂開けておかないことです。あなたがいなくても私はちゃんとやれている。そういう姿を見せれば猫も安心するのではないかと思います」

といい、「悲しい時は思い切り悲しんで良いです。でもそれがひとしきり終わったら今度は死者のためにもけじめをつけてあげてください」と、相談者を諭した。この回答にはベストアンサーが送られた。

相談者の行為を否定せずに理解を示した上で、どうすれば気持ちを整理できるか具体的にアドバイスする回答はなかなかできるものではない。

はてなブックマークでは「回答者優しすぎる」「優しさの溢れるベストアンサー」「出先で、鼻水出るほど泣いてしまった」などの声が多く寄せられた。中には「相談の場面において、事実を答えたからといって解決するわけではないというのがとてもよく分かる」という人もいた。