どこにでもいる女性でも、ふとしたきっかけでその世界の『沼』にハマる……そんな背景を紹介するシリーズ。今回は、「ダイエットの沼」を紹介します。

体重の増減に一喜一憂するどころか、摂食障害になるほど、ダイエットにハマってしまった志保さん(38歳)にお話を伺いました。現在の身長156cmで、体重は53kg。この3年間で最高に痩せていたときの体重は40kgだったといいます。彼女は都内の短大卒業後、人材派遣会社に事務職として勤務し、18年になります。

ダイエットにハマったきっかけは、駅で男性からすれ違いざまに「デブ」と言われたこと

「30歳を超えてから1年で1〜2kgのペースで太り続け、気が付けば60kgになっており、駅で男性にすれ違いざまに“デブ”と言われることも増えました。原因はお酒の飲み過ぎと、パンの食べ歩きです。1週間に5軒くらいのペースでパン屋さんを巡り、店頭でカレーパンやデニッシュ類を食べていました。それに30歳のときに千葉の実家を出て、都内で一人暮らしを始めたのですが、夜、誰もしゃべる人がいないから、ついお酒を飲むようになっていたこと。これは太ります」

お酒は太る、と志保さんは言います。そもそもお酒はジュース並みの糖質があり、餃子や揚げ物など高カロリーな食べ物と相性がいいからだといいます。

「私は、パンとお酒を一緒に食べることにハマりました。今まで家族の目があったから、できなかったのですが、食パンに生クリームやカスタードクリームなどを乗せて、缶チューハイで流し込んだでいましたね。それに、お酒とパンは中毒性が高い。夕方になると“どうしても飲みたい!食べたい!”となってしまい、通勤電車の中でチューハイを開け、パンをこそこそと食べていたていたこともありました」

グリーンスムージーでおデブに加速

もともと太りにくい体質だったのに、あっという間に体重が増えたといいます。

「ダイエットを決意してから、ランチを抜いたり、プチ断食をしたり、カロリーをカットするサプリを飲んだりしていましたが、全然効果がないんですよ。久しぶりに実家に帰ると、母親から“あんた大丈夫?”と言われるようになりました。背中が小山のようになり、実家のお風呂を狭く感じるようになったし、着られる服がなくなってしまったんです」

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運動が大嫌いだから、食事制限で痩せる

運動が大嫌いな志保さんは、痩せるためには、食事制限しかないと思ったのだそう。

「いろいろ調べて、直感で一番効果がありそうだと感じたのは、ジュースダイエットでした。管理栄養士さんが提唱している本と8万円のミキサーを買い、リンゴ、人参、小松菜、オレンジ、バナナなどでスムージーを作って飲んでいたのですが、全然結果が出ないどころか、逆に1週間で2kg太ってしまったんです。よく考えると、高カロリーなスムージーを飲み、朝ご飯を食べ、お昼も夕飯も食べて、さらにお酒も飲んでいたので」

サプリメントや、酵素ドリンクも試したけれど、全体的に食事の量を減らさなくてはいけないのが辛かったとか。

「食べながらでも痩せられる、と書いてあるサプリやドリンクは、あらかた試しましたよ。たぶん、20万円分くらい買ったんじゃないかな。でもやはり、普通に食事をしていては痩せられません。1食をドリンクやサプリなどで代替するダイエットも、朝ごはんでは効果が感じられず、昼食、夕食を置き換えないとダメなんですよね。その結果、我慢の限界になって、パンをドカ食いして、吐く……の繰り返し。それでも、お腹の中にモノは残っているのか痩せないんです。だから、痩せるためには、断食しかないと思いました」

パンやドーナツを口にすると、1個で終わることができず、際限なく食べてしまうという。

運動嫌いな志保さんが、20kg近く痩せられたのはなぜ?そして13kgのリバウンドしてしまった理由は……〜その2〜に続きます。