Twitterのアイコン右下やIDの横に表示される水色の「認証バッジ」は、主に有名人など知名度の高い人物を中心に本人であることをTwitterが確認した時に付与される仕組みになっています。Twitterのジャック・ドーシーCEOはこの認証バッジについて、全てのユーザーを対象にする方針があることを明らかにしました。

Twitter may eventually let anyone become verified - The Verge

https://www.theverge.com/2018/3/8/17098178/twitter-open-verification-all-users-jack-dorsey-livestream

TwitterのドーシーCEOはアメリカ時間の2018年3月8日、同社が提供しているライブストリーミングプラットフォームの「Periscope」でライブ配信を行い、認証バッジ解放の方針を検討していることを明らかにしました。ライブ配信にはTwitterの製品担当役員なども登場して、その方針についての詳細が語られています。





この中でドーシー氏は「全てのユーザーを認証することを検討しています」と語っています。またその方法についても、「Twitterが介在しないスケーラブルな方法で実施することで、誰もが自分の事実について認証を行え、Twitterは内容を判断したりおかしなバイアスがかかることを防ぐことができます」と述べています。

今回のストリーミングではこれ以上の詳細は明らかにはされていませんが、The VergeはAirbnbが取り入れているFacebookプロフィールの登録や電話番号・メールアドレスの確認、IDカード番号の登録などで本人確認を行うのではと予測しています。

Twitterの認証バッジは、まずはTwitterが選んだユーザーのみに提供が開始され、その後は申請フォームから認証要求を行うことで一定のユーザーへと対象を広げてきました。そのためこの認証バッジを持っているユーザーは有名人が大部分となっており、認証バッジが付いていることはTwitterにおけるステータスとして認識されるに至っています。



また、認証バッジはあくまで「本人であること」が確認されていることを示すものではあるのですが、これが予期せぬ受け止められ方をされている実態もあるとのこと。製品担当役員のデイヴィッド・ガスカ氏によると、調査の結果からユーザーの多くがこのバッジを「Twitterのお墨付き」と捉えている場合が多く、ユーザーの発言内容をTwitterが保証していると誤って理解しているケースがあることも判明しています。これは「認証バッジがないアカウントの発言は信頼できない」と誤った認識が広がる原因ともなるため、対策が必要な案件といえます。

事実、2017年11月には、認証バッジのリクエストを公開制にしたことで混乱や誤解が広まったことから、リクエストの受付を停止するという出来事がありました。

Twitterが青色チェックマーク「認証済みアカウント」の基準を見直すため認証プロセスを一時中断 - GIGAZINE



この件についてTwitter Japanは、公式Twitterアカウントで「『Twitterに(価値を)認められたアカウント』という意味合いが広まってしまった」として、リクエスト受付を停止した旨を発表していました。





ドーシー氏は「アイデンティティ」と「匿名性」がTwitterにとって重要なものであるとし、Twitter上では誰もが自分の素性を知られることなく自由に発言できるような環境を整えたい意向を述べています。また、Twitter上に多く存在する「パロディーアカウント」、つまり本人ではないことを明らかにしながらもネタ的に投稿を行っているアカウントについても何らかの表示を行うことで、ユーザーが誤って本人の発言だと勘違いしてしまわないための方策も検討しているとのことです。