「私が高校生をデッキブラシで倒すシーンがあったんです。その放送の翌日、学校に行ったらあだ名が『デッキブラシ』になってました(苦笑)」

 9歳から、人気ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)に野々下加津役で出演した宇野なおみ。「幸楽」に居候していた “かづちゃん” は、すっかり大人になった。

「森(光子)さんに、『歴代もっとも奔放な子役』って言われたんですよ。当時、何も怖いものがなかったです。池内淳子さん、赤木春恵さん、渡辺美佐子さんほか、昭和の名優さんたちを間近で見てきたことは、すごく大きな体験だったと思います。

 ただ、現場は厳しかったです。『台詞をただ覚えればいいってもんじゃない』『芝居が下手だ』とか、傷つくことを言われることがありました。もっとちやほやされたかった(笑)」

 宇野さんは、早稲田大学を卒業後、バンクーバーへ留学。帰国して、女優業のほか、通訳としても働いている。

「『渡る世間〜』が終わったあと、何も考えてなかったですね。不動産投資でもしておけばよかった(笑)。語学については、海外のドラマや映画に挑戦したくて英語を学び、通訳、翻訳の仕事を始めました。今後も英語力を使った仕事をしながら女優としても、どんどん作品に関わっていきたいです」

うのなおみ
28歳 1989年8月26日生まれ 東京都出身 早稲田大学卒 1996年、舞台『マダム・バタフライ』で、子役デビュー。舞台『おしん』の演技をきっかけに、1998年から『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)に「野々下加津」役でレギュラー出演。現在、通訳、女優として活躍中

写真・中山雅文
スタイリスト・森千鶴子
ヘアメイク・矢部恵子
(週刊FLASH 2017年12月12日号)