エクストリームスポーツとして62階建てビルからぶら下がって懸垂していた男性が転落死
命綱をつけずに危険なパフォーマンスを見せて観客を魅了する人が少なからず存在しますが、その中の1人で、中国のエクストリームスポーツ界の第一人者を自負していた呉永寧(吴永宁/Wu Yongning)さんが、「62階建てのビルの屋上からぶら下がり懸垂をする」というチャレンジを行った後、屋上に戻れずに落下し死亡するという事故が起きました。このチャレンジはネットを通じて多くの人が見守っていたこともあり、中国のみならず世界でニュースとして取り上げられています。
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1898407
“高空挑战第一人”坠楼身亡|吴永宁|极限运动|第一人_新浪新闻
http://news.sina.com.cn/c/2017-12-10/doc-ifypnyqi2919426.shtml
Chinese 'rooftopper' unwittingly films his own death | Daily Mail Online
http://www.dailymail.co.uk/news/article-5166849/Chinese-rooftopper-unwittingly-films-death.html
高層ビル屋上で危険なパフォーマンス 男性が転落死 中国 | NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171212/k10011255841000.html
呉さんがこの挑戦を行ったのは2017年11月8日のことで、場所は湖南省長沙にあるHuayuan International Centre。62階建てで、高さは約260m。テナントとしてグランド・ハイアット・ホテルが入っており、一般に開放されているのは44階までで、最上階にはホテルの警備員もいるはずですが、どうやって呉さんが屋上へ出入りしたのかは不明です。
挑戦の一部始終をおさめた映像を見ると、ビルの屋上に現れた呉さんは事前準備のようなものを行った後に、いったん足をビルの外側へ降ろし、上半身でビルにしがみつくような姿勢に移行したあと、一度上に戻っています。滑り止めのためか、なにかへりのあたりをタオルで拭くような仕草を見せた呉さんは、今度は完全に腕を伸ばしてぶら下がる体勢になって、懸垂を2回。これでチャレンジを終えて上へ這い上がろうとしたのだと思われますが、ビルの壁面に足がかからなかったために呉さんは屋上へ戻ることができず、ややもがくような動きを見せた後、ビル壁面に足をかけて腕の力を使って登ろうとしたところで手が離れてしまい、画面から姿を消します。呉さんはこのあと45フィート(約13.7m)下にあったビルのバルコニー部分に落下し、亡くなりました。
以下の映像では、呉さんの姿が画面から消えるまでの約4分の動きが確認できます。
LiveLeak.com - Youth falls off building when challenging height
呉さんは以前は映画の脇役などをしていましたが、2017年に入ってYouTuberのようなことを開始。お金が稼げるとわかったことで、中国のあちこちにある超高層ビルや高いところに登っては様々なスタントを繰り広げていました。2017年7月には絶景で知られる張家界市武陵源にある高さ1000mの桟道のへりを使い、命綱をつけずに懸垂をしたことが話題になったとのこと。
呉さんがSNSで公開していた写真の1枚。「中国エクストリームスポーツ界の第一人者」を名乗っていただけあって、数々の危険な技をこなしてきていました。
そこまでして呉さんがお金を稼ごうとした理由としては、1つは父親を早くに亡くし、残された病気の母親の治療費が必要だったこと。もう1つは、挑戦翌日にプロポーズする予定だったという恋人・Jin Jinさんと結婚式を挙げる資金が必要だったことが挙げられています。