SNS上で先日、飲食店で食事した後に出る「ゴミ」について元飲食店勤務のユーザーが「捨てる時少し大変」と指摘。おしぼりの袋に、紙ナプキンやストローの袋などを詰めて口を縛る方法に感動したエピソードを紹介すると、「女子力だな」「勉強になった」などと共感する意見が上がりました。

 マナーの観点からは、外食先でこのような行動を取るべきなのでしょうか。企業や大学などで人財育成や接待・会食などのマナー指導を行い、新著「かつてない結果を導く 超『接待』術」など国内外で70冊以上のマナー本があるマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに聞きました。

よかれと思って迷惑になることも

Q.飲食店で出るゴミは利用客がまとめておくべきなのでしょうか。

西出さん「利用客がまとめておく“べき”という決まりはありません。ただし、マナーの大前提にある“相手の立場に立ち、相手を思いやる言動”の視点から考えた時、利用客がお店の人への配慮として、ゴミをまとめておくのは素晴らしい気配りであり、素敵な人と思われることが多いと思います。それでも、よかれと思って行ったことがお店側にとって迷惑になる場合もありますので、その点は気をつける必要があるでしょう」

Q.ゴミのまとめ方はどのようなものでしょうか。

西出さん「一番はゴミのまとめ方だと思います。ゴミの分別の仕方は地域によって異なることもありますが、可燃物と不燃物を分けておくと親切なのではないでしょうか」

Q.ほかにもオススメの「気配り術」があれば教えてください。

西出さん「それらを置く場所にも気を配ってみてはいかがでしょうか。空いたお皿などを、お店の人が手を伸ばさずに持って行きやすい場所に寄せておくと、ありがたいと思われるでしょう。また、薄い紙ナプキンやおしぼりが入っているビニールなどは、お皿の上に置いておくと、下げる時にヒラヒラと落ちてしまう可能性があります。お膳を頼んで盆がついている場合、これらをお皿の下に挟んでおくと落ちる心配がありません。一方、食べ残しを隠す場合は、使い切りの布おしぼりや厚手の紙おしぼりであれば、お皿の上に置いても落下は防げるでしょう」

「何もしないこと」も配慮になる

Q.逆に、すべきではないゴミのまとめ方はどのようなものでしょうか。

西出さん「ゴミを運びやすいからと、グラスの中にゴミを詰め込む方もいらっしゃるようですが、これは控えましょう。重要なのは『お店の人が片付けやすいように』との配慮。グラスの中からゴミを取り出す手間を増やすような行為はやめましょう。また、お皿を重ねてまとめるのも一長一短です。お皿を重ねることで、お皿の底に汚れが付いたり、器に傷をつける可能性もあるため、お店によっては『気持ちはありがたいが控えてほしい』と思われるケースもあります。『何もしないこと』が相手への配慮となることも。皆さんのお店の人に対する思いやりが本末転倒にならないためにも、TPPPOに応じて、マナーの形を臨機応変に変化させるとよいでしょう」

※「TPPPO」(Time=時、Place=場所、Person=人・相手、Position=立場、Occasion=場合)

(オトナンサー編集部)