終わった後に会場にごみがほとんど落ちてなかった――。日本三大花火大会の1つとして知られる「長岡まつり大花火大会」は、ツイッターでこんな状況を示す写真が次々に投稿され、反響を呼んでいる。

「ごみは持って帰ってくんねろか」。アニメの戦隊シリーズにあやかったようなヒーローが看板に描かれ、ヒーローがごみの持ち帰りをこう呼びかけている。

2日間で約103万人の人出があったが...

これは、新潟大学附属長岡中学校の生徒らが作って、花火大会の会場内に設置したものだ。

長岡まつり大花火大会は、2017年8月2、3両日に新潟県長岡市内の信濃川河川敷で開かれた。好天の中で計2万発が打ち上げられ、主催者の長岡花火財団によると、約103万人の人出があった。

この花火大会は、1879年に始まったが、戦争中に中断され、1947年に復活した。長岡空襲犠牲者の慰霊などを込めて打ち上げられており、今回は、復活70年を記念した特別なスターマインなどが夜空を彩った。


長岡まつり大花火大会のスターマイン(写真は2016年撮影)

その壮麗な花火の数々がツイッター上などにアップされる一方、会場に残されるごみの少なさにも注目が集まった。長岡中学校の生徒らが作った看板も、そんな中で紹介された。

投稿写真を見ると、写っている範囲の鑑賞場所には、ごみがほとんど見当たらない。ツイッター上では、この状況に驚きの声が上がっている。

「ごみを捨てやすいところに置き場」

ただ、やはりごみが所々にはあったとの報告がツイッター上であり、「その他のごみ」と書かれた置き場にごみが山盛りになっているとの指摘もあった。

一方で、花火大会後には、長岡市内の小中学生や地元企業の社員らが参加して「早朝清掃ボランティア活動」が行われていることも写真付きで紹介されていた。その中には、プロバスケットボールチーム「新潟アルビレックスBB」の選手らの姿もあった。

長岡花火財団の担当者は8月4日、Jタウンネットの取材に対し、ごみが観賞場所に捨てられていないことはないとしながらも、ほかの花火大会よりも少ないのではないかとの見方を示した。

「まず、ごみを捨てやすいところに置き場を作っています。堤防の上まで持ってきてほしいと呼びかけ、誰もが必ず通るゲートを出たところに設置してあります。また、ごみ置き場は、『瓶缶ペットボトル』と2つしか分別していないのですが、これは分別を細かくすればするほどメチャクチャになるからです。新潟大学附属長岡中学校の生徒たちが作った看板を見て、ごみをポイ捨てする人も躊躇しているようで、昨年よりも観賞場所のごみは少なくなっていますね」

早朝清掃ボランティアには、2日間で4000人以上が参加したというが、「ごみがなさ過ぎて、拾うものがないと苦情が入るほどです」と笑う。新潟アルビレックスの選手らは、ボランティアの一体感を高めるのに役立っているといい、「憧れの選手が来ると、子供たちも喜んで参加します。選手らにも、ファンの存在は励みになっているようですね」。