上西議員「質問やり直し」そのまま放送 「さすがに気の毒」と同情も
プロサッカーの試合後に「親善試合は遊びなのかな」などとツイッターに投稿して大きな物議を醸している上西小百合衆院議員(34)に報道・ワイドショー番組が続々と直撃し、インタビュー映像を放送しているが、その手法をめぐって一部で疑問が出ている。
上西氏の受け答えに対して秘書の進言で質問の「やり直し」が行われていたが、複数の番組で、その撮り直し前後の両方が放送されていた。こうした態様にツイッター上では「まるでコント」「撮り直し笑った」と面白がる声にまじり、「さすがに気の毒」など行き過ぎと感じる声もあり、「バイキング」(フジテレビ系)では坂上忍さんも眉をひそめている。
「もう一度質問してもらっていいですか」
上西氏は、浦和レッズがボルシア・ドルトムント(ドイツ)に2対3で敗れた2017年7月15日の親善試合後に「浦和酷い負けかた。親善試合は遊びなのかな」とツイート。人を食ったような発言にサッカーファンから非難が殺到したものの、上西氏は「なんかブーブー言ってる」「サッカーの応援しているだけのくせに、なんかやった気になってるのムカつく。他人に自分の人生乗っけてんじゃねえよ」などと火に油を注ぐようなツイートを連投して騒動が広がった。
一連の発言の真意を聞き出そうとテレビ各局は18日午前、上西氏の事務所へ赴いた。踏み込みすぎたという反省の気持ちはないかと報道陣に問われた上西氏は「単に観衆として残念な試合だったなというイメージを持ち、それを言わせていただいたというだけなので」と回答。ところが傍らにいた上西氏の秘書・笹原雄一氏が「殺害予告までしてくるわけで、結果としてそういう結果が出ている以上、踏み込みすぎたってことはちゃんと言わないとおかしいでしょ」などと上西氏に「指示」をとばした。
これに上西氏が「ああそう。どこを踏み込んだっていうの」と応じ、秘書と相談すると、秘書は「もう一度質問してもらっていいですか」と報道陣に依頼した。同じ質問を再びされた上西氏は「当初は観衆の一人としてコメントさせていただいたのですが、結果的に過激な発言が寄せられることになりましたので、最終的には踏み込みすぎたのかなと思っております」と改めて真剣な表情で回答した。
事務所でのこうした「質問やり直し」場面は、各局で撮り直し前後双方が放送された。19日「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)では上記のやり取りを収めたVTRの後で、司会の羽鳥慎一アナウンサーが「コメントを言い直したんですけど、もう一回直したところも全部(放送で)出ちゃってる」とまとめ、同日「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)で司会の宮根誠司さんも「上西さんも指導前のやつはカットしてねって言わなあかんけどね。全部流されてもうた」と呆れたように口にした。
「クソ受ける」「悪意を感じた」
19日「とくダネ!」(フジテレビ系)のように、秘書の「もう一度質問してもらっていいですか」の発言後に「ということでテイク2」というナレーションを挿入した番組もあった。
秘書を挟んだこの「質問やり直し」と、撮り直し前の映像まで含めて放送されたことにツイッター上では
「カットしてくれると思って撮り直しを要求してたヤラセ茶番劇が全て垂れ流されててワロタ」
「撮り直し前が上西の本音ならマスコミはあるべき姿を報じただけ」
「言い直しを撮り直ししてるのまで放送しててクソ受ける」
などと笑いの種にされている。ただ一方で、こうした放送に疑問を感じるユーザーも一部にいた。
「上西議員と秘書とのやり取りから撮り直しのくだり。そこまで放送するのは反則やろ。彼女はキライやし、V(編注:VTR)自体はおもろかったけど、テレビ局側に悪意を感じた」
「撮り直しを全部含めて流すのはイジワルだよなぁ。さすがに気の毒と言う気がする」
「会見の撮り直しまで流すのはちょっとマスコミどうなのかな......人によって何でもありなのかな」
19日「バイキング」でも質問やり直し前後を放送しつつ、司会の坂上忍さんが「僕朝から各局見てて、当たり前のように流してるんです。撮り直しの部分含めて」として意見を述べていた。
「本来だったらオフレコの部分もまるまる使われた上で、ああだこうだと彼女(上西氏)が言われていることは、俺は個人的には、擁護する気持ちは全然ないんだけど、かわいそうっていう気持ちには素直になった」
なお上西氏は19日に都内で会見を開き、殺害予告が複数届いていたため同日警察へ被害相談をしたと報告した。