auの4900円の1GB定額はお得じゃない!? 実は使いにくい、そのワケとは

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ドコモやauといった大手ケータイキャリアは、格安SIM(MVNO)と比較して「月々の通信料金が高い」というのが常識だ。

しかし、大手ケータイキャリアも料金プランの改善は試みている。

例えば、
au(KDDI/沖縄セルラー)では、通話定額プラン込みで、月額4900円となるパケット定額サービスを発表している。

●トータル5000円を切るプランは23日スタート
今回auが発表した新サービスは、「データ定額1」だ。
その名の通り、月間1GBまでの高速通信が可能。1GBを超過した場合は月末まで低速通信となる。

月額料金は2900円と、料金だけをみれば、比較的に安価な設定と言える。
この「データ定額1」と、通話定額を組み合わせることで、月額5000円未満になる計算だ。
・電話カケ放題プランS 月額1700円 5分までの通話が回数制限なしで無料のプラン
・LTE NET 月額300円 インターネットサービス
・データ定額1 月間1GBまで高速通信できるデータ定額サービス
合計 4900円
となる内容だ。

さらに、固定回線とセットで割引となる「auスマートバリュー」を組み合わせれば、
3966円での利用も可能だ。

ここまでの内容は、通信をあまり使わない人にとってメリットの多いプランと言えよう。

しかし「データ定額1」は、他のプランとは違い、大きな注意点が存在するのだ。

●データ定額1は「毎月割」や「くりこし」非対応
大手ケータイキャリアのスマホを購入した場合、多くの人が割引の恩恵を受ける。
・ドコモ「月々サポート」
au「毎月割」
・ソフトバンク「月月割」
などだ。これらの割引は、利用料金などを毎月一定額で割り引いてくれるものだ。

この割引のあるおかげで、iPhoneなどの高額スマホであっても、実際の月々の支払い(負担)が抑えられるのだ。iPhoneが日本では安く買える恩恵ともなっている。

ところが今回発表されたauの「データ定額1」は、「毎月割」に非対応なのだ。

もしもiPhone 6sなどの高額スマホを「毎月割」が付かない状態で購入してしまうと、毎月の支払が高くなってしまうのだ。

また、これまでの定額サービスであれば、毎月の高速データ通信を使いきらなかった場合、余った通信容量は翌月に「くりこし」される。
しかし、「データ定額1」では「くりこし」が提供されないのだ。
つまり、今月のデータ利用が500MBであっても、翌月は1.5GBにはならないのだ。

●「データ定額1」はこんな人におすすめ
今回発表されたauの「データ定額1」は、
・1か月1GBまでは高速データ通信対応
・毎月割には非対応
・通信量のくりこしに非対応

と、やや使いにくいサービスなのだ。

最近のスマホであれば、動画サービスや音楽聴き放題を少し使うだけでも、簡単に利用データ量は1GBを突破してしまうだろう。

「データ定額1」は、
・そもそもスマホをあまり使わない
・前回機種変更してから2年を経過している(毎月割が終了している)
auスマートバリューを利用している

これらの条件を満たすのであれば、月々の負担が非常に安くなるのは間違いない。

しかし、
通常であれば月々の割引である「毎月割」に入る人は多いだろう。
また、スマホで毎月1GB未満に通信量を抑えるのは面倒だ。

したがって、今回発表された「データ定額1」の利用で、通信料金を月々4900円内と言う恩恵を受けられる人はあまり多くないのかも知れない。

ニュースリリース|KDDI


布施 繁樹