平埜生成 次世代を担う若手実力派俳優が進む道「ドラマに出たい、じゃなくて、出るんだろうと思ってた」
世界中で繰り返し上演され続けている、色褪せない名作『オーファンズ』。孤独で、荒れ果てた暮らしを送っていた兄弟が、かつて孤児だった男の優しさに触れ、再生していく姿を描く本作で、弟のフィリップを演じる平埜生成にインタビューを敢行。自らを「ホントに普通」だと話す平埜だが、そこから浮かび上がってきたのは同世代の俳優とはひと味もふた味も違う、「個性的」な人物像だった。
撮影/すずき大すけ スタイリング/手塚陽介
ヘアメイク/仲田須加 取材・文/野口理香子
――アミューズ所属の男性俳優によって結成され、2010年に旗揚げされた「劇団プレステージ」のエース的存在である平埜さん。もともと舞台役者になりたくて、芸能界入りされたんですか?
いえ、違います。テレビドラマに出たいなって。いや、出たいんじゃなくて、出るんだろうなって思っていたんです(笑)。
――そう思っていたのは、どうしてなんでしょう…?
両親がテレビ関係の仕事をしていて、子どもの頃からすごく身近なものだったからだと思います。
――最近は、ドラマに出演される機会も増えていると思いますが、演じる側として、ドラマと舞台、それぞれ違った魅力がありますよね。
映像は、客観的にしか切り取られないのが面白くて、同時に残酷でもあるなって。視聴者の方は、たぶんそんなふうに意識してないと思うんですけど。だって、切り取られたその世界しか見られないから。でも自分が作る側にまわるようになって、そう感じるようになりました。
――一方、舞台は見る人によって切り取り方も変わってきますよね。舞台の面白さはどんなところにあると思いますか?
…そこに命がある感じがするところ。なにより、お客さまがいる前で芝居をするというのが一番違いますよね。両方とも面白くて、両方とも難しいです。
――なるほど。では、平埜さんご自身のお話を伺いたいのですが、自分の性格を一言で表すなら…?
うーん……「庶民」。
――庶民!? その心は…
とにかく普通だからです。この世界にいると余計にそう感じるのかもしれないですが。オシャレな人も多いですし、なんて僕は庶民的なんだろうなって…。
――いつか自分もドラマに出るんだろうなって思っていたということは、昔から目立つ存在だったのかなと。
小学校の頃はそうでしたね。クラスの中心人物というか…元気で明るい子。それが歳を重ねていくうちに…
――中学時代から変わってきた?
究極の思春期だったんだと思います。女子の存在を意識するようになって、うまく話せないという。それが今も続いている感じです。現在進行形で中二病なんだと思います(笑)。
――女子の存在を意識してしまうのは“思春期あるある”だと思うんですが、男の子同士で遊んだりもしませんでした?
友だちがいなかったんですよね。学校にいるときは一緒に遊んだりするけど、それは職場で言うところの「同僚」であって。学校から出ると、誰とも会わないという。
――「同僚」という表現は、なかなかにシュールですね…(笑)。じゃあ学校から帰ったら、ひとりで遊んでいたんですか?
一緒に遊びたい気持ちもあったんですけど、自分からは誘えなかった…。だからずっと弟と一緒にいました。
――いまでも地元の友だちと遊んだりとかは…?
しますよ。でも何をもって「友だち」というのか? 友だちの定義とは? というところから話さないといけなくなるので、難しいんですよね…。
――興味深いテーマですが、大きく脱線してしまいそうなので、その話はまたの機会に(笑)。休日はどのように過ごすことが多いですか?
舞台を観に行ってます。ジャンルは問わず、気になった舞台は全部行きます。
――憧れの役者さんはいらしゃいますか?
吉田鋼太郎さん。 舞台で拝見させていただいたことがあるのですが、吉田さんの持っているパワーは圧倒的で、次元が違うなと思いました。いつか共演させていただきたいです。
――舞台鑑賞以外で、趣味やマイブームってありますか?
植物を見ることですね。家のベランダに何人かいまして(笑)。
――これはまた意外な趣味ですね。
家には昔からあったんですけど、最近興味を持つようになって、水やりをしています。ただ、それが何の植物なのかはわかってないんですけど(笑)。
――(笑)。他にはありますか?
お風呂場を充実させること。湯船には浸かる派なんですけど、ガチャガチャとかでゲットしたフィギュアを湯船に浮かばせて遊んでいます。
撮影/すずき大すけ スタイリング/手塚陽介
ヘアメイク/仲田須加 取材・文/野口理香子
“究極の思春期”から抜け出せなくて…
――アミューズ所属の男性俳優によって結成され、2010年に旗揚げされた「劇団プレステージ」のエース的存在である平埜さん。もともと舞台役者になりたくて、芸能界入りされたんですか?
いえ、違います。テレビドラマに出たいなって。いや、出たいんじゃなくて、出るんだろうなって思っていたんです(笑)。
――そう思っていたのは、どうしてなんでしょう…?
両親がテレビ関係の仕事をしていて、子どもの頃からすごく身近なものだったからだと思います。
――最近は、ドラマに出演される機会も増えていると思いますが、演じる側として、ドラマと舞台、それぞれ違った魅力がありますよね。
映像は、客観的にしか切り取られないのが面白くて、同時に残酷でもあるなって。視聴者の方は、たぶんそんなふうに意識してないと思うんですけど。だって、切り取られたその世界しか見られないから。でも自分が作る側にまわるようになって、そう感じるようになりました。
――一方、舞台は見る人によって切り取り方も変わってきますよね。舞台の面白さはどんなところにあると思いますか?
…そこに命がある感じがするところ。なにより、お客さまがいる前で芝居をするというのが一番違いますよね。両方とも面白くて、両方とも難しいです。
――なるほど。では、平埜さんご自身のお話を伺いたいのですが、自分の性格を一言で表すなら…?
うーん……「庶民」。
――庶民!? その心は…
とにかく普通だからです。この世界にいると余計にそう感じるのかもしれないですが。オシャレな人も多いですし、なんて僕は庶民的なんだろうなって…。
――いつか自分もドラマに出るんだろうなって思っていたということは、昔から目立つ存在だったのかなと。
小学校の頃はそうでしたね。クラスの中心人物というか…元気で明るい子。それが歳を重ねていくうちに…
――中学時代から変わってきた?
究極の思春期だったんだと思います。女子の存在を意識するようになって、うまく話せないという。それが今も続いている感じです。現在進行形で中二病なんだと思います(笑)。
――女子の存在を意識してしまうのは“思春期あるある”だと思うんですが、男の子同士で遊んだりもしませんでした?
友だちがいなかったんですよね。学校にいるときは一緒に遊んだりするけど、それは職場で言うところの「同僚」であって。学校から出ると、誰とも会わないという。
――「同僚」という表現は、なかなかにシュールですね…(笑)。じゃあ学校から帰ったら、ひとりで遊んでいたんですか?
一緒に遊びたい気持ちもあったんですけど、自分からは誘えなかった…。だからずっと弟と一緒にいました。
――いまでも地元の友だちと遊んだりとかは…?
しますよ。でも何をもって「友だち」というのか? 友だちの定義とは? というところから話さないといけなくなるので、難しいんですよね…。
――興味深いテーマですが、大きく脱線してしまいそうなので、その話はまたの機会に(笑)。休日はどのように過ごすことが多いですか?
舞台を観に行ってます。ジャンルは問わず、気になった舞台は全部行きます。
――憧れの役者さんはいらしゃいますか?
吉田鋼太郎さん。 舞台で拝見させていただいたことがあるのですが、吉田さんの持っているパワーは圧倒的で、次元が違うなと思いました。いつか共演させていただきたいです。
――舞台鑑賞以外で、趣味やマイブームってありますか?
植物を見ることですね。家のベランダに何人かいまして(笑)。
――これはまた意外な趣味ですね。
家には昔からあったんですけど、最近興味を持つようになって、水やりをしています。ただ、それが何の植物なのかはわかってないんですけど(笑)。
――(笑)。他にはありますか?
お風呂場を充実させること。湯船には浸かる派なんですけど、ガチャガチャとかでゲットしたフィギュアを湯船に浮かばせて遊んでいます。