ピチカートファイブ、あるいはその中心人物であった小西康陽という人は、ある時期のぼくにとってカルチャースターみたいな存在だった。たとえば90年代に小西がプッシュしていた市川崑監督の映画「黒い十人の女」がリバイバル上映されたときには、胸を高鳴らせながら渋谷の映画館まで出かけたものだ。あるいは、やはり90年代に日本で初公開されたゴダールの「万事快調」という映画もまた、ぼくはピチカートの同タイトルの曲で知った