プロのボウリング選手でも倒せない「最も難しいスプリット」の並び方が判明
By Alexander C. Kafka
「パカーン!」と勢いよくピンを倒したはずが、レーンの右と左にピンが分かれて残る「スプリット」を見た時に感じる哀しみは得も言われぬものがあります。スプリットを全て倒すスプリットメイクに成功した者は神にも近い尊敬を集めることになるのですが、そんな中でも「最も倒しにくいスプリット」の並び方が判明しました。
Hardest shot in bowling: It’s not the 7-10 split, it’s the Greek Church.
この調査を行ったのは、Slate Magazineに数々の記事を寄せているBen Blattさん。Blattさんはアメリカの「全米プロボウラーズ協会」が保存しているプロボウラーによるゲーム記録を入手し、44万7000フレームの記録を分析することで「最も倒すことが難しいスプリットの形」を割り出すことに成功したそうです。
By Dave Baker
実は「スプリット」にはいろいろな形があるのですが、一般的にスプリットと言えば一番左と右のピンが一本ずつ残った「7-10スプリット」を思い浮かべることが多く、「最も倒しにくいと思われている残り方」と言っても過言ではないもの。一投目で残ったピンを倒すことに成功する「スペア率」を算出したところ、7-10スプリットのスペア率はなんと0.7%という高い難度だったことがわかりました。
しかし、実際の記録をひもとくと、さらに高い難度のスプリットが存在していたことが判明。Blattさんがまとめた記録をもとに作成した最難関スプリットランキングのトップ10は、以下のようなものでした。
最も難しいスプリットに認定されたのは、4・6・7・9・10ピンが残った「Greek Church(ギリシャ教会)」と名付けられたスプリットで、その成功率はなんと0.3%。プロがチャレンジしても1000回に3回しか成功していないという実績がそのハードルの高さを物語っています。前述の7-10スプリット、別名「Bed Posts(ベッドの柱)」は3位につけており、やはり難しいものだったことがわかっています。2位と4位の形が、左右が反転した相似であるのがなかなか興味深いところ。
成功率1.0%の「Big Four」になると、なんとなくカンタンに思えてきそうですが、それでもプロが100回チャレンジして1回しか成功しない確率です。その下の「Greek Church」は1位の並び方を反転させた状態のもので、向きが逆になるだけで難易度がおよそ半分になるという、こちらも興味深い結果が判明していました。
このように、スプリットはプロにとっても難しい状況であることがわかりました。そんなPBAのプロボウラーたちが魅せる7-10スプリットメイクの妙技は、以下のムービーでじっくり堪能することができます。
PBA 7 - 10 split conversions - YouTube
逆に、スプリットを含む3本以上のピンが残った状態で、最も高い確率でスペアに成功した組み合わせの一覧がこちら。1位の「1-3-9」はスペア率89.2%というもので、これを外すと「プロ失格」のらく印を押されかねない事態に陥るので、用心した方がよさそうです。
なお、Blattさんが解析した44万7000フレームのうち、全体の60%弱のフレームがストライクを記録していたことも判明したとのこと。プロのすごさを痛感する記録ですが、逆に言えば、そんなプロでも倒せなかったスプリットの難しさが伝わってくる分析結果とも言えそうです。