安価で抜群の成績を残す岩隈に注目が集まっている。 [Getty Images]

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 来季で4年目を迎えるマリナーズの岩隈久志投手。メジャー1年目の12年7月に初先発を果たすと、そこから年々評価を高め、今季はメジャー自己最多の15勝を挙げるなど、ローテーションの中心投手として確固たる地位を築いている。

 その岩隈だが、今オフはトレード移籍の噂が絶えない。先日もレッドソックスがトレード獲得を画策しているとの報道が出ていたが、今度は強豪ブレーブスも加わり、岩隈に触手を伸ばしているらしい。

 米スポーツサイト『isports web』では、今季、13年ぶりのプレーオフ進出にあと一歩まで迫ったマリナーズが、岩隈をトレード要員として補強に動く可能性があると報道。記事では、マリナーズが岩隈の放出に否定的ではあるものの、打線の強化が今オフの最優先事項であることに触れ、もし大物野手の獲得に失敗した場合、岩隈を交換要員としたトレードの打診が他チームから相次ぐだろうとしている。そして、右腕を必要としているボストン・レッドソックスはY・セスペデスを、アトランタ・ブレーブスがJ・アップトンらの大物選手を差し出すというのが、もっぱらの噂のようだ。

 たしかに、マリナーズは絶対エースの“キング”F・ヘルナンデスと岩隈を中心としたピッチングスタッフで勝ってきたチーム。打線の強化は来季のプレーオフに向けて必要不可欠となっている。主力級選手でも平気でトレード移籍が起こるMLBでは、十分に起こり得る移籍だと言えそうだ。

 とはいえ、マリナーズ内では岩隈の放出は来シーズンのプレーオフ進出への望みが遠ざかるという声も少なくない模様。また、セスペデスやアップトンといったビッグネームとの交換となると、岩隈プラスアルファ(ドラフト指名権や複数選手)の交渉を余儀なくされる可能性が高いことに記事内でも言及している。

 岩隈のトレードはそう簡単な話ではなさそうだが、マーケットに残っているJ・レスター(アスレチックス)らを絡めた三角トレードなど、荒技も起こり得るのが米国のストーブリーグ。これから先の展開は「何が起こるか分からない」と言えるだろう。ただ、一つだけ確かなことは、岩隈がそうしたビッグネームと肩を並べる存在になったということ。それこそが、岩隈が渡米3年で残した実績を物語っている。