首里城の前で記念撮影をする両チーム。左から岩隈、ロンゴリア、ファレル監督、小久保監督、前田、坂本[Getty Images]

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 侍ジャパンMLBオールスターを相手に3連勝を収め、実に24年ぶりとなる勝ち越しを決めた2014年の日米野球。今日の沖縄での親善試合を最後に、全日程を終了する。

 今回の日米野球に関して、現地メディア『bleacher report』が、「日米野球の5つのおみやげ」なる記事を掲載した。そこで挙げられている5つのトピックは以下の通り。

1.ケガのリスク

2.NPBには好投手がたくさんいる

3.シューメーカーの好投

4.アルテューべの打撃が好調

5.日本の野球はホンモノ

 一つ目に挙げられているのが、ケガのリスク。第3戦で死球を受け、骨折したロビンソン・カノのことである。マリナーズはカノに対し高額な投資をしている中、チームと直接関係のない試合でケガをしてしまった。幸いそれほど症状は重くなかったが、試合を行う以上、常にケガのリスクというものはつきまとう。代表に選手を“貸し出す”ということに関して、今後考えていく必要があるのではないかと述べられている。

 二つ目は侍ジャパンの投手陣に関して。前田健太や金子千尋などがFA市場で名前が上がり、アメリカでも取り上げられているが、第3戦で“ノーノーリレー”を完成させた則本昴大、西勇輝、牧田和久、西野勇士をはじめ、序盤は特に投手陣を打ちあぐねたMLB代表。近年の活躍で日本人投手の評価はMLBの舞台でも向上しているが、まだまだ日本にいい投手が残っているということを再確認したようだ。

 三つ目はMLB代表として今シリーズ2度先発し、第5戦では大谷翔平に投げ勝ったエンゼルスのマット・シューメーカー。第1戦こそ5回6安打2失点で敗戦投手となったものの、第5戦では5回2安打無失点ピッチングでチームに勝利をもたらした。今季彗星のごとく登場し、チームを5年ぶりの地区優勝に導いた28歳のオールドルーキーが、日米野球の場でも躍動。日本からアナハイムへ良いニュースを届けた。

 四つ目は“小さな巨人”ことホセ・アルテューべの活躍。イチロー以来となる首位打者・最多安打・盗塁王の3タイトル同時受賞を果たしたアルテューべは、当初カノの控えとしてシリーズをスタートさせたものの、カノの離脱後に巡ってきたチャンスでは打線の中心として2連勝に貢献。最終的には打率.429、OPS1.000という数字を残した。

 最後に挙げたのは、日本の野球について。8年前に行われた前回の日米野球では、MLB代表が5勝0敗と日本を圧倒していたが、今回はまさかの3連敗に加え、4投手のリレーによるノーヒットノーランという屈辱を味わった。質の高いメンバーを多く揃えた、選手層の厚さに関してもアメリカから高い評価を受けた。

 侍ジャパンにとっても収穫が多く、これからメジャーを目指す選手はもちろん、まだまだ考えていない選手たちにとっても大きな刺激になったであろう日米野球も今日で閉幕。最後の一戦は沖縄セルラースタジアム那覇にて、18時プレイボール。MLBオールスターはエンゼルスのヘクター・サンティアゴ、3連敗は阻止したい侍ジャパンはソフトバンクの21歳右腕・武田翔太が先発予定となっている。