元販売員の教える新料金プラン契約で「得する」「損する」人の分かれ道ポイントは48分間
久しぶりに実家へ帰った際、母に「ドコモの新しいプラン、電話タダなんでしょう。安くなるの?」と相談された。
そこで母の利用状況などの詳しく話を聞いたのだが、結果「恐らく安くならないよ」と答えた。こう答えた大きな理由は、母が「あまり電話をしない」「パケットもあまり使わない」の2点に合致する使い方をしていたからだ。
この夏は、各社の新料金プランがテレビCMなどで、大々的に告知されている。主な内容は、「国内通話し放題」「パケット(データ量)を分け合える」など、「通話が安くなる」といったメリットが押し出されている。しかし、こうした宣伝文句だけで飛びつくのは、やはり早計というものだ。
ここは、ケータイ販売を8年間の経験から、筆者が一肌脱ごうではないか。ちなみに、店舗では「歩く客セン(お客様センター)」という謎のニックネームもいただいていた。
●元販売のプロが教える 新プランで得するとパターンはこれだ!
・毎月約48分以上 他のキャリア携帯やスマホと通話している人
細かく計算すればわかるが、簡単に言って毎月約48分以上通話をすれば、あなたは得をする。しかし、ここで注意。この48分間には、家族間やグループ内などの無料通話を除いた時間だということだ。
つまり仕事先やプライベートで、他社の携帯やスマホ、固定電話を持つ友人や知人、恋人と「頻繁に電話する」「長時間電話する」人だ。こうした相手と、毎月おおよそ1時間以上通話している場合は間違いなく新プランで得ができる。
・ドコモとSBMは、家族全員同じキャリアなら、お得になる
NTTドコモとソフトバンクモバイルの利用者は、家族グループ内へデータ量を分け合える仕組みがお得だ。
月額500円のオプションを付けるだけで、家族全員で1つのデータ通信(主回線)を利用(共有)できる。例えば主回線が10Gバイトのデータプランを契約していた場合、その10Gバイトを家族で分け合えるため、使う家族(子回線)が多ければ多いほど1人あたりの料金はお安くなる。
なお、KDDI(au)だけは原則データプランが必須となるため、1回線あたりの金額がほかの2社と比べてもやや割高となるので、このお得な方法が使えない。
・auは、auスマートバリューが契約できる
じゃauだけ損するの? そうでもない。こちらは「auスマートバリュー」で大きなメリットがある。対象の「auひかり」や対象の固定通信サービスを契約している場合、934円もしくは1,410円(最大2年間)が毎月割引となるからだ。934円を1年間割引した場合は11,208円となる。1回線あたり最低でも年間1万円以上割引されるのは大きい。さらに家族が多ければ多いほどその割引金額も多くなる。
・2台持ちをしている
1台目にスマートフォン、2台目にタブレットなど、2台持ちをしている人もお得をつかめる。NTTドコモとソフトバンクモバイルのデータ量共有が活きてくる。
2台目でタブレットを使う場合、
データ専用プラン(月額1,700円)+インターネット接続サービス(月額300円)+データシェアオプション(月額500円)=月額2,500円で2台目を使うことができる。なお、KDDI(au)も同様のサービスは2014年12月より開始する予定となっている。
ざっくりであるが、下記の条件に合う人は新料金プランにしても、「お得」をつかめる。
・月48分以上通話している人
・家族で同じキャリアのスマホ・携帯電話を使っている人
・タブレットなど2台目を持ちたい人
●元販売のプロが教える 新料金プランで損する人とパターンは、これだ
当然ながら新料金プランにして、損をする人やパターンもある。
・月の通話が48分以下の人は旧プランに比べ過払いになる?
そもそも通話を月に48分以上しない人は、新プランの通話し放題プランの2,700円を毎月支払うことになる。実際に今、使っていない分の料金まで支払うようなものなので「割高」となる。旧プランの780円(または980円)から変更しない方がお得なのだ。
・家族のキャリアがばらばら
このケースは、家族のデータ量共有での割引が利用できない。結果、各人が音声プラン+データ定額プランを組むので、かなり割高となる。また、KDDIもauスマートバリュー対象が限られてしまうため、割引が少なくなってしまう。
このケースも場合、「新プランの利用」以前に家族の契約キャリアを一本化する対策を先にしたほうが節約になる。
ざっくりであるが、記の条件に合う人は新料金プランにすると、もれなく「損」が付いてくる。
・月に48分以上、通話をしない
・家族が同じキャリアではない。
ここで、一つ、初心者にはハードルが高いが、強力な「お得」を手にする方法をちょっとだけ解説しておこう。
●上級者向け? これが「お得」な節約術
さらに上級者向け節約術としては、
・1台目を通話し放題のガラケーにする
・2台目に格安SIMを入れたデータ専用スマートフォンやタブレットにする
その場合は格安SIMを選択し、それを入れるスマートフォンやタブレットを用意する必要があるため、やや敷居が高いが節約効果は大きい。
●今回の新料金プランはスルメ?
元ケータイ販売のプロから見ても、今回の新料金プランは噛めば噛むほど「あ、この手があったか」と思いつくような「まるでスルメ」のような仕組みとなっている。逆を言えば、正直元プロからみても「ややこしい」。
この「ややこしさ」「めんどうさ」負けてはならない。
なぜなら各社横並びの「通話し放題」は、みんな幸せになれるかと問えば、答えはNoだからである。
※本記事の料金はすべて税抜です
※本記事のプラン、料金は2014年7月1日現在のものです
布施 繁樹
そこで母の利用状況などの詳しく話を聞いたのだが、結果「恐らく安くならないよ」と答えた。こう答えた大きな理由は、母が「あまり電話をしない」「パケットもあまり使わない」の2点に合致する使い方をしていたからだ。
この夏は、各社の新料金プランがテレビCMなどで、大々的に告知されている。主な内容は、「国内通話し放題」「パケット(データ量)を分け合える」など、「通話が安くなる」といったメリットが押し出されている。しかし、こうした宣伝文句だけで飛びつくのは、やはり早計というものだ。
ここは、ケータイ販売を8年間の経験から、筆者が一肌脱ごうではないか。ちなみに、店舗では「歩く客セン(お客様センター)」という謎のニックネームもいただいていた。
●元販売のプロが教える 新プランで得するとパターンはこれだ!
・毎月約48分以上 他のキャリア携帯やスマホと通話している人
細かく計算すればわかるが、簡単に言って毎月約48分以上通話をすれば、あなたは得をする。しかし、ここで注意。この48分間には、家族間やグループ内などの無料通話を除いた時間だということだ。
つまり仕事先やプライベートで、他社の携帯やスマホ、固定電話を持つ友人や知人、恋人と「頻繁に電話する」「長時間電話する」人だ。こうした相手と、毎月おおよそ1時間以上通話している場合は間違いなく新プランで得ができる。
・ドコモとSBMは、家族全員同じキャリアなら、お得になる
NTTドコモとソフトバンクモバイルの利用者は、家族グループ内へデータ量を分け合える仕組みがお得だ。
月額500円のオプションを付けるだけで、家族全員で1つのデータ通信(主回線)を利用(共有)できる。例えば主回線が10Gバイトのデータプランを契約していた場合、その10Gバイトを家族で分け合えるため、使う家族(子回線)が多ければ多いほど1人あたりの料金はお安くなる。
なお、KDDI(au)だけは原則データプランが必須となるため、1回線あたりの金額がほかの2社と比べてもやや割高となるので、このお得な方法が使えない。
・auは、auスマートバリューが契約できる
じゃauだけ損するの? そうでもない。こちらは「auスマートバリュー」で大きなメリットがある。対象の「auひかり」や対象の固定通信サービスを契約している場合、934円もしくは1,410円(最大2年間)が毎月割引となるからだ。934円を1年間割引した場合は11,208円となる。1回線あたり最低でも年間1万円以上割引されるのは大きい。さらに家族が多ければ多いほどその割引金額も多くなる。
・2台持ちをしている
1台目にスマートフォン、2台目にタブレットなど、2台持ちをしている人もお得をつかめる。NTTドコモとソフトバンクモバイルのデータ量共有が活きてくる。
2台目でタブレットを使う場合、
データ専用プラン(月額1,700円)+インターネット接続サービス(月額300円)+データシェアオプション(月額500円)=月額2,500円で2台目を使うことができる。なお、KDDI(au)も同様のサービスは2014年12月より開始する予定となっている。
ざっくりであるが、下記の条件に合う人は新料金プランにしても、「お得」をつかめる。
・月48分以上通話している人
・家族で同じキャリアのスマホ・携帯電話を使っている人
・タブレットなど2台目を持ちたい人
●元販売のプロが教える 新料金プランで損する人とパターンは、これだ
当然ながら新料金プランにして、損をする人やパターンもある。
・月の通話が48分以下の人は旧プランに比べ過払いになる?
そもそも通話を月に48分以上しない人は、新プランの通話し放題プランの2,700円を毎月支払うことになる。実際に今、使っていない分の料金まで支払うようなものなので「割高」となる。旧プランの780円(または980円)から変更しない方がお得なのだ。
・家族のキャリアがばらばら
このケースは、家族のデータ量共有での割引が利用できない。結果、各人が音声プラン+データ定額プランを組むので、かなり割高となる。また、KDDIもauスマートバリュー対象が限られてしまうため、割引が少なくなってしまう。
このケースも場合、「新プランの利用」以前に家族の契約キャリアを一本化する対策を先にしたほうが節約になる。
ざっくりであるが、記の条件に合う人は新料金プランにすると、もれなく「損」が付いてくる。
・月に48分以上、通話をしない
・家族が同じキャリアではない。
ここで、一つ、初心者にはハードルが高いが、強力な「お得」を手にする方法をちょっとだけ解説しておこう。
●上級者向け? これが「お得」な節約術
さらに上級者向け節約術としては、
・1台目を通話し放題のガラケーにする
・2台目に格安SIMを入れたデータ専用スマートフォンやタブレットにする
その場合は格安SIMを選択し、それを入れるスマートフォンやタブレットを用意する必要があるため、やや敷居が高いが節約効果は大きい。
●今回の新料金プランはスルメ?
元ケータイ販売のプロから見ても、今回の新料金プランは噛めば噛むほど「あ、この手があったか」と思いつくような「まるでスルメ」のような仕組みとなっている。逆を言えば、正直元プロからみても「ややこしい」。
この「ややこしさ」「めんどうさ」負けてはならない。
なぜなら各社横並びの「通話し放題」は、みんな幸せになれるかと問えば、答えはNoだからである。
※本記事の料金はすべて税抜です
※本記事のプラン、料金は2014年7月1日現在のものです
布施 繁樹