“入室禁止”の重要文化財「辻家庭園」が、1日1組限定の貸切料亭に!

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石川県の金沢市指定文化財「辻家庭園〜前田家家老旧横山家迎賓館〜」内にある家屋の国登録有形文化財に指定された母屋部分が、1日1組限定の貸し切り型の料亭として営業を開始した。

辻家庭園は、加賀藩の家老八家(旧加賀八家(はっか))のひとつで、「北陸の鉱山王」として知られた横山家の絶頂期である大正初期(1910年代)に、別荘地兼迎賓館の庭園として造成。昨今の専門家の研究で、設計者は近代日本庭園の傑作とされる椿山荘(山縣有朋別荘)や平安神宮など数々の名園を残した、近代造園の先駆者「植治」こと七代目小川治兵衛であるとされている。

その辻家庭園において料理がふるまわれることになったのは、普段は入室禁止の一室「群青の間」。部屋の四方の壁一面には、宝石であるラピスラズリ(青金石)が塗料として用いられており、壁全体が今もなお鮮やかなコバルトブルーに発色する、豪華絢爛な金沢文化を残す一室だ。

料理はその日限りの懐石コースをご提供。神戸の日本料理店などで修業を積んだ料理長・玉田慎介氏が、予約当日の朝に近江町市場へ向かい、最も良い素材を見極めて約10品の献立てを組む。治部煮などの郷土料理もアレンジしながら取り入れられ、出来上がった料理は料理長自ら部屋に赴き、説明を交えながらふるまわれる。

打木南瓜や金時草、香箱蟹など地の物も多く使い、器も九谷焼きや輪島塗などを揃え、伝統と格式ある金沢らしさと贅を融合させたおもてなしがゲストをお迎えする。敷地内には七代目小川治兵衛の設計とされる日本庭園(金沢市指定文化財)があり、ライトアップされた庭の遊歩道を、お食事の前後で散策することもできる。

入室禁止の重要文化財を貸し切るなんて、これ以上贅沢な経験はなかなかないはず。金沢へ旅行の際には、ぜひ訪れてみては。

■辻家庭園〜前田家家老旧横山家迎賓館
住所:石川県金沢市寺町1-8-48
TEL:076-201-1124
営業時間:料理開始7:00PM〜 ※時間はご相談に応じます。日によってお昼の予約も可能。
貸切人数:6〜8人 ※1日1組限定
料金:1名¥15,000から
料理内容:一日限定の懐石料理コース 約10品
(料理構成例:先付・焼き八寸・椀物・造里・煮物・口直し・焼物・揚物・食事・甘味)