わずか13グラム!Evernoteと組み合わせて使うUSBメモリサイズのボイスレコーダー「VoiceGATE」

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「航星日誌*****」

子供の頃、深夜に放映されていたテレビ版「宇宙大作戦」(スタートレック)の冒頭で、カーク船長がマイクに向かってぶつぶつ呟いてましたっけ。大人になってわかったのですが、あれはつまりボイスレコーダーに口述記録していたんですよね。子供心に格好いいなあと思ったのを覚えています。

こんな風に、情報をテキストではなく音声メモとして残す方が、いつでもどこでも手軽に入力できて便利。古くはテープレコーダーから、最近ではICレコーダーまで、機器の側もどんどん進化してきました。「できるビジネスマン」の必須アイテムとして、しばしばメディアで取り上げられたりもします。

でも、ぶっちゃけボイスレコーダー、使ってます? 会議の録音には使っても、ちょっとした音声メモには、ほとんど使ってないという人が、大半なんじゃないでしょうか。かくいう僕もその一人でした。だって面倒なんだもん! 

まずICレコーダーの機能がごちゃごちゃしていて、サッと録音できない。また大量の録音ファイルから、必要なものを選択しづらい。最後に自分の録音された声を聞くと、なんとも尻の座りが悪い気分がする……3番目は冗談として、最初の2点は無視できない問題ではないかと思います。

そんな中で音声メモに特化した、シンプルなボイスレコーダーが登場しました。それが今回レビューする「VoiceGATE」。写真を見てもらえば分かりますが、形状はUSBメモリそっくりです。それもそのはず、USBメモリにマイクと録音ソフトをくっつけたデバイスなんですね。これ、なかなかナイスなアイディア商品ですよ。

VoiceGATEは重さがわずか13グラム。ストラップを通すスペースがあり、常時持ち歩くのにピッタリです。録音したいときは背面のスイッチを入れて3秒待ち、LEDが赤から青に変わるのを待つだけ。マイクに向かって呟いて、最後にスイッチをオフにすればOKです。連続録音時間は約8時間で、メモリ容量的には約60時間分の録音をサポート。もう十分すぎるほどの容量ですよね。気になる充電方法ですが、USBなのでPCに挿すだけでOK!

録音された音声ファイルを聞く時は、PCのUSBポートに本体を差し込むだけ。内蔵された「ENアップローダー」が起動して、自動的に録音データをクラウド上の汎用メモサービス、「Evernote」にアップロードしてくれます。万一の事態に備えて、VoiceGATE側にもバックアップデータが残されるので、安心ですよ。あ、Evernoteについて詳しく知りたいという方は、ぜひこちらの記事をご参照ください。

Evernoteにアップされた音声ファイルは、自動的に「Voice」というノートにまとめられ、時系列順に整理されていきます。こんな風にファイルがクラウド上で一元管理されているので、会社のデスクトップPCや自宅のノートPC、スマートフォンなど、インターネットに接続されたデバイスなら、なんでもアクセスして再生できるんです。裏を返せばVoiceGATEだけでは、録音ができても再生できないんですね〜。これ、すごい割り切りだと思います。すばらしい!

ファイル形式はWindowsで標準的なWAV形式で、もちろんMacやiPhoneからでも再生できます。時系列順にアップロードされているので、録音した日時さえ分かれば検索も用意。もちろん後からファイル名を自分で変更することもできますよ。

こんな風に本製品はPCと連動して使うことを前提に、本体の機能をギリギリまでそぎ落としてデザインされています。ネット通販専用で、価格も嬉しい3800円。ゴテゴテと不要な機能ばかり増やして、使いにくくなっている凡百のICレコーダーも、ぜひ見習ってほしいですね。繰り返しますが、本体だけでは録音できても再生できないできないんですから。ちょうど再生できても録音できない、ウォークマンの逆バージョンとでも言いましょうか。なおボイスメモ以外に、4GBのUSBメモリとしても使えるので、ちょっとしたデータの受け渡しにも便利ですよ。

もっとも使用するには、当たり前だけどインターネットに接続されたPCが必要です(録音ファイルを再生するだけなら、PCのUSBポートに本体を差し込んで、メディアプレイヤーなどで再生すればOK)。それから事前にEvernoteのアカウントを取得しておく必要があります。それからVoiceGATEに付属のENアップローダーをPCにインストールしてください。まあでも、ネット通販でポチれる人なら、きっと大丈夫ですよね。

実際の操作感は、シンプルかつスマート。なんたってスイッチが1つしかないから、マニュアル不要ですぐに使えて、間違いようがないんですよ。これ、非常に優れたUI(ユーザーインターフェース)だと思います。ただ、スイッチを入れて録音が可能になる3秒間が、なにげにイラッとしたりもします。スイッチを入れたらすぐに録音できるようになると、使い勝手がさらに上がりそうです。

また、本体カラーが一色だけなのも、ちょっと寂しいところ。カラーバリエーションが増えると良いですよね。中には価格が高めでも良いから、もうちょっと高級感が欲しいと感じるユーザーがいるかもしれません。シンプルさを保ったままで、多様なユーザー層に受け入れられるように、バリエーションが増えていくと良いんじゃないかなあ。

ちなみに我々のようなライター業にとって、本商品は福音となりそうです。インタビューでICレコーダーを忘れたり、途中で電池が切れたり、録音したデータをうっかり消してしまった経験のある人、手を上げて!(僕だけ?) そんな時のバックアップ用レコーダーとして、非常に重宝しそうです。お守り代わりに身につけておくと、きっと忘れた頃に役立ってくれるんじゃないでしょうか。とりあえず僕は肌身離さず持ち歩くことにします、はい!

でもでも、やっぱり録音された自分の声を聞くのは苦手という人も多いはず。自分の声が自動的に女子高生やアイドルの声に変換されて再生される……なんて機器が発明されませんかね? 絶対ヒットすると思うんだけどなあ……。
(小野憲史)